サンフロント21懇話会 静岡県東部地域の活性化を考える
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「海の日」も迫り、子供たちが待ち望む夏休みももうすぐ。海へ山へ旅行を計画している家族も多いことだろう。伊豆の賀茂地区7市町村でつくる南国伊豆観光推進協議会(会長・桜井泰次河津町長)管内には28の海水浴場があり、毎シーズン00万人以上の人たちでにぎわう。協議会では海水浴だけではないお勧めの夏の楽しみ方を提案する。昨年年間にわたって行われた伊豆新世紀創造祭の取り組みを踏まえて、点から線、面へと広がる“南国伊豆”の観光のあり方を検証する。



風は東から
 
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自然の魅力たっぷり  ”南国伊豆“
官民一体と
なって
 南国伊豆観光推進協議会は観光の振興や地場産業の開発・発展などを目的に、昭和27年に設立された。会員は、伊豆半島の東地区(東伊豆町、河津町)、南地区(下田市、南伊豆町)、西地区(松崎町、西伊豆町、賀茂村)の市町村や観光協会、旅館・民宿組合、観光施設などで、観光宣伝を共同で年2回行ったり、2年ごとに観光ガイドやマップを作成したりしている。
 昨年の伊豆新世紀創造祭で官民一体となって取り組んだ体制を生かし、今年初めて「河津桜まつり」の会場に協議会の観光案内所を出店して賀茂地区の観光を総合的にPRした。協議会副会長を務める西伊豆町観光協会の間野慈基(茂木)会長は「伊豆祭をきっかけに地域間の結び付きが強くなり、協力し合う体制が整ってきた」と語る。


湯の里めぐり東地区
(東伊豆町、河津町)
相模湾を望む波打ち際の露天風呂・東伊豆町黒根岩風呂
相模湾を望む波打ち際の露天風呂・東伊豆町黒根岩風呂
 東伊豆町には北から海岸線に沿って、大川、北川(ほっかわ)、熱川、片瀬、白田、稲取と6つの温泉郷が続く。伊豆祭では、大川から稲取までの28カ所の観光スポットをめぐる「湯めぐり花めぐりバス」を運行。ワンコイン(00円)で乗れるとあって小グループや家族旅行の人たちから好評を得た。バス事業は今後も継続する計画で、東伊豆町旅館組合連合会の西村弘佐事務局長は「住民によるボランティアガイドが誕生し、観光客と町民との交流がうまれた」と喜ぶ。夏休みの期間限定で、宿泊客を対象に漁船を納涼船として運航するサービスも住民との交流に一役買っている。
 河津町は7つの温泉場を誇るいで湯の町。早春の河津桜、日本一早咲きの花菖蒲も有名だが、今年4月にローズガーデン「河津バガテル公園」がオープンしたことで秋まで咲きつづけるバラが加わり、年間を通して花が楽しめる町となった。本年度、協議会が実施する「花の事業」に弾みがつくのは間違いない。



環境省の「日本の水浴場88選」に選ばれた下田市白浜中央海水浴場
環境省の「日本の水浴場88選」に選ばれた下田市白浜中央海水浴場
マリンスポーツのメッカ
南地区(下田市、南伊豆町)
 昨年月、伊豆急下田駅から徒歩0分の海岸沿いに新しい観光スポット「ベイステージ下田」がオープン。下田の歴史や文化が楽しみながら学べ、地元で採れる海の幸・山の幸が堪能できる施設で、下田の観光施設の核として期待も大きい。
 南地区には2カ所の海水浴場があるが、このうち白浜中央海水浴場(全長720b)は今年、環境省の「日本の水浴場88選」に選ばれた。白砂のビーチはもちろん、大島などの伊豆諸島を望む眺めや海水動植物の豊富な磯場での自然観察が楽しめること、サンデッキや歩道も整備されて日光浴や散歩ができることが評価された。「海さえあれば観光客が来る時代は終わった。最近は体験学習的なものに人気がある」と下田市観光協会の山田静彦会長。サーフィンなら白浜大浜か多々戸浜海水浴場、ウインドサーフィンなら外浦海水浴場、磯釣りなら入間海水浴場、田牛(とうじ)海水浴場では急な坂の砂浜でサンドスキーができるという具合に、それぞれの海水浴場に特色があり、海水浴プラスアルファが楽しめる。


サンセットリゾート
西地区(西伊豆町、松崎町、賀茂村)
黄金色に染まる落日がすばらしい伊豆西海岸
黄金色に染まる落日がすばらしい伊豆西海岸
 伊豆半島最大の海岸公営キャンプ場・宇久須キャンプ場は海辺の景勝地であり、施設も充実していることからシーズン中は大勢の若者やファミリーキャンパーでにぎわう。西地区内の雲見や安良里(あらり)沖は水質Aクラスで魚の種類も多く、神秘的な地形でもあることから絶好のダイビングスポットとして人気が高い。そして何と言っても、夕暮れ時、幻想的な黄金色に染まる海が見られるのはこの地区ならでは。昨年春と秋の二回、伊豆祭のイベントの一環として、大田子海岸で「夕陽ステージ」を開いた。夕陽を眺めながらのコンサートは好評を博しサンセットクルージングも成功を収めた。間野会長は「一過性のイベントではなく、地域住民をも取り込んだ継続的なイベントにしようという意識が芽生えた」と住民の意識の変化を指摘し、伊豆祭を通して「美しい自然の魅力が何よりの観光資源だということをわれわれ住民が再確認した」という。
 これからは「交流」「自然」を観光のキーワードに、これまで観光客が訪れる機会が少なかった漁村をウオーキングコースに組み入れ、漁業風景や干物を作っている様子を見てもらうことなどを通して人情味あふれる交流を続けていこうと計画している。



周遊観光を
目指して
 伊豆祭で明らかになった課題として、各自治体間の情報の共有化、ITを利用した情報発信が挙げられる。これから伊豆祭で行ったイベントのうち継続させるものとそうでないものが精査されるが、「南国伊豆は一つ」というイメージを観光客に持ってもらうためには、地域イベントや観光施設を組み合わせた
周遊観光マップの作成、情報PRが欠かせないだろう。そういう取り組みを通して、地域間の連携、共同事業、人材の活用が盛んになる。
 もう一つハード面の課題に交通アクセスがある。車の場合、南国伊豆へは熱海方面からは海岸沿いを南下する国道35号、沼津方面からは伊豆中央道、修善寺道路を通って伊豆半島を縦貫するルートと、西海岸に沿って走る国道36号を使う3ルートがあるが、いずれも週末やシーズン中は交通渋滞が深刻。3つのルートが合流する地点は下田であることから、同協議会では”下田は扇の要“と表現する。現在の道路状況では下田へ観光客を集めることが南国伊豆への集客につながるとしているが、縦貫道が一本通るだけでなく、体のろっ骨のように枝分かれするルートを完成させれば、集客はもちろん、交通渋滞の解消とドライバーのイライラをなくす特効薬になることは間違いない。
 「南国伊豆の最大の魅力は人工的なテーマパークにない豊かな自然」と口をそろえる協議会の会員たち。協議会が十年来温め続けている”南伊豆庭園構想“が実現すれば、南国伊豆エリア一帯の自然の魅力に親しめる本物のパークが完成する。観光客が減った要因の一つに、これまで自然を守ることをおろそかにしてきた面は否めないと反省しつつ、伊豆祭が終わり2世紀を迎えたいま、「自然を大切にする原点に戻って、身も心もリラックスできる環境の提供、観光客と地元住民との心の通い合う交流を積み重ねていきたい」と関係者の思いは熱い。
 この夏、陽光がさんさんと降り注ぐ海、キンメダイやアオリイカ、貝類などの新鮮な海の幸、そして地域住民のあったかい心が大勢の観光客を迎えてくれることだろう。


湯の里めぐり東地区
(東伊豆町、河津町)
 東伊豆町には北から海岸線に沿って、大川、北川(ほっかわ)、熱川、片瀬、白田、稲取と6つの温泉郷が続く。伊豆祭では、大川から稲取までの28カ所の観光スポットをめぐる「湯めぐり花めぐりバス」を運行。ワンコイン(00円)で乗れるとあって小グループや家族旅行の人たちから好評を得た。バス事業は今後も継続する計画で、東伊豆町旅館組合連合会の西村弘佐事務局長は「住民によるボランティアガイドが誕生し、観光客と町民との交流がうまれた」と喜ぶ。夏休みの期間限定で、宿泊客を対象に漁船を納涼船として運航するサービスも住民との交流に一役買っている。
 河津町は7つの温泉場を誇るいで湯の町。早春の河津桜、日本一早咲きの花菖蒲も有名だが、今年4月にローズガーデン「河津バガテル公園」がオープンしたことで秋まで咲きつづけるバラが加わり、年間を通して花が楽しめる町となった。本年度、協議会が実施する「花の事業」に弾みがつくのは間違いない。


“南国伊豆” 夏のイベント

●7月22・23日熱川海上大文字焼き花火大会 熱川温泉の海岸/湯の街・熱川を挙げて盛大に開催。火矢により沖合いに浮かぶ大文字に点火され、幻想的な大文字焼きと夜空を彩る花火 が楽しめる。21日は前夜祭/熱川温泉観光協会 0557-23-1505

●7月28日 堂ケ島火祭り 堂ケ島公園/西伊豆最大の祭りで、地元民が海賊を打ち払った故事により始まったもの。海賊船が火矢によって燃え上がり、迫力がある/西伊豆町観光協会 0558-52-1268

●8月3日 賀茂村夏祭り 宇久須海水浴場付近/午後7時から、盆踊り大会や花火大会、歌謡ショーを開催/賀茂村観光協会 0558-55-0412

●8月8日 弓ケ浜花火大会 弓ケ浜海岸/今年で24回目。午後8時から、臨場感あふれる海水菊扇など400発打ち上げる/南伊豆町観光協会 0558-62-0141 

●8月14・15日 下田太鼓まつり 下田市内の旧街中/大阪夏の陣の勝利の入城行軍が起源。山車に歴史上、伝説上の人形と太鼓をのせ街中を練り歩く下田の真夏の風物詩/下田市観光協会 0558-22-1531

●8月14〜16日 田子みなと祭り 田子港/田子漁港は遠洋漁業の基地で昔、カツオ漁とサンマ漁との間に一斉に港に帰りまつりを楽しんだという。中でも”バカ踊り“が全国的に珍しい/西伊豆町観光協会 0558-52-1268

●8月15日 妻良(めら)の盆踊り 妻良海岸/上方の流人が伝えたといわれる室町時代の伝統をもつ優雅な踊り。午後7時から、太鼓や笛、三味線の囃子に合わせて緩やかなテンポで踊る。県の民俗文化財に指定/南伊豆町観光協会 0558-62-0141

●8月15・16日 松崎の花火大会 松崎町内
/15日は那賀川の灯ろう流しと水中花火、岩地・石部・雲見の各海岸で午後8時から一斉に花火の打ち上げ。16日は午後8時から、松崎海岸で。町中心部に夜店も出る/松崎町観光協会 0558-42-0745

●8月16日 今井浜温泉麦わら舟流し 見高漁港/  麦わらで作った全長約2bの舟にお盆の供物を色紙などで飾り、海に流す200余年の伝統行事/ 河津町観光協会 0558-32-0290

●8月17日 今井浜温泉花火大会 今井浜海岸/ 午後8時から、打ち上げ花火やスターマイン、水中スターマインなど500発 /河津町観光協会 0558-32-0290


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