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富士スピードウェイは、1966年に開業した国内有数の大型サーキットだ。国際レースや国内主要レースの舞台として知られ、年間来場者は約80万人に上る。長年にわたり町の名を全国へ発信してきた一方、近年は単なるレース観戦の場から、多様な体験を生む交流拠点へと役割を広げている。
大規模レースに加え、企業イベント、試乗会、安全運転講習、花火大会、マラソン大会、ママチャリレース、子ども向けカート、キャンプなど、利用の幅は広い。広大な敷地と複数のコースを生かし、さまざまな催しに対応している。
富士スピードウェイの尾崎重昭プロジェクト統括部長は「モータースポーツを楽しむ施設だが、車が好きな人だけの場所にはしたくない」と語る。その入口となるのが「乗る」体験だ。レーシングカーやスポーツカーだけでなく、カート、自転車、乗馬体験など、体を使って非日常に触れる機会を増やしている。
来場者層にも変化がある。従来のコアなモータースポーツファンに加え、家族連れや、試乗会・体験型イベントを目的に訪れる人が増えている。また、4年前に開業した富士スピードウェイホテルは、国際サーキットの雰囲気と富士山の眺望を楽しめる宿としてインバウンドを含むあらたな滞在需要を生み出した。
波及効果は観光面にとどまらない。尾崎部長によると、近年は「モータースポーツの拠点で働きたい」と移住してくる人もいるという。世界耐久選手権の開催時には、地元の小学5年生が社会科見学に訪れ、世界規模のイベントの”舞台裏“に触れる機会もつくっている。安全管理や救護、警備などで自衛隊OB・OGも活躍しているという。富士スピードウェイは、集客施設であると同時に、教育や雇用の面でも地域と深く関わっている。
一方で、課題もある。集客は大規模レースやイベント開催日に集中しやすい。年間80万人という数字は大きいが、レースのない週末や平日に、どのような来訪目的をつくり、滞在や消費につなげるか。サーキットの集客力を一過性の賑わいで終わらせず、日常的な交流へ広げることが、次の段階の鍵になる。
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