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昨年11月、県の動物愛護センターが富士市内に移転・オープンした。動物を取り巻く社会状況や県民意識の変化を受け、新施設は、従来の「動物管理センター」から「動物愛護センター」へと名称を改め、新たな役割を担うことになった。愛称は公募で「しっぽのバトン」と名付けられた。県動物愛護センターの田中恵美所長は「動物の命をつなぐだけでなく、動物を介して人と人をつなぐ、そういう意味合いが込められている」と話す。整備にはクラウドファンディングも活用され、325人から700万円を超える支援が寄せられた。
最大の特徴は、殺処分施設を持たないこと。従来の「管理」のイメージから大きく変わり、保護した犬や猫を譲渡につなげること、ボランティアを支援すること、災害時の動物対策を進めることなど、役割は多い。
センターの収容可能頭数は犬20頭、猫90匹。飼養施設のほか、診療室や手術室も備え、獣医師3人が配置されている。一方、ドッグランやふれあいエリア、飼い主が犬を洗えるシャンプールーム、研修室などを指定管理者が運営し、一般の人やボランティアが利用しやすい開かれた施設を目指している。
現在は、動物愛護管理法に基づき、飼い主には終生飼養の責任が求められている。そのためセンターに引き取りの相談があった場合、まずは管轄の保健所で事情を聞き取り、飼い主自身が親族や知人、ボランティア団体などの譲渡先を探せるよう支援する。それでも難しい場合に限り、保健所を通じてセンターが引き取っている。田中所長はこうした変化を「行政が対応する事案が、飼い主の急死や多頭飼育崩壊など、人や動物の福祉的支援が必要な事案へと明確になってきている」と語る。
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