サンフロント21懇話会 静岡県東部地域の活性化を考える
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 「伊豆はひとつ」ー。昨年、伊豆22市町村挙げて展開された「伊豆新世紀創造祭」の理念を受け継ごうと、伊豆地域観光活性化協議会(会長・川口市雄熱海市長)は新たに伊豆全域の観光情報サイト「NEW ゆうゆうネット伊豆」を来春、立ち上げる。サイトの開設作業は、県東部の活性化策を探る「サンフロント2懇話会」が県や22市町村と連携して、開発作業を進めている。情報は鮮度が生命線といわれるが、地元ならではの“旬の伊豆”を発信し、「何度も伊豆に出掛けたくなる」「伊豆の風、香りが感じられる」サイトを目指す。

風は東から
 
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伊豆の魅力満載のサイト 「NEW ゆうゆうネット伊豆」開設へ

ネットで伊豆を検索/イメージ
 
伊豆ブランドの定着
 地球規模で「人・もの・情報」が行き交う二十一世紀を迎えた。昨年の伊豆新世紀創造祭(伊豆祭)では、大交流時代を視野に入れた観光のまちづくりの第一歩として、市町村が連携し伊豆全域を”伊豆ブランド“として首都圏を中心に売り出した。杉山健太郎・修善寺町にぎわい振興室長は「伊豆祭に関わった多くのメンバーが改めて観光客にとって伊豆はひとつなのだと実感した」という。「伊豆はひとつ」という合言葉が薄れてしまわないうちに、二十二市町村が連携し伊豆全体を情報発信するシステムが必要との声が高まり、新サイト開設の話が急速に進んだ。
 平成八年以来、伊豆全体の観光マーケティングとプロモーションを担うシンクタンク機関(仮称・伊豆観光活性化センター)の構築を提言しているサンフロント2懇話会が事務局を担う形で、新サイトの開発に参画。従来からあるサイト「ゆうゆうネットIZU」を全く違うコンセプトで刷新し、平成十四年四月の運営開始を目指している。
 杉山室長は「伊豆全体をくくる情報システムをつくることにより”伊豆ブランド“が定着するばかりでなく、それぞれの地域の魅力をボトムアップすることにつながる」と新サイト開設に期待を寄せる。
 


好みの旅プランを作成
サイトイメージ
 
 旅の計画を練るのに、インターネットを使って情報収集をすることが当たり前になってきた今日、「NEW ゆうゆうネット伊豆」では、どんな情報を得ることができるのだろうか。シミュレーションしてみると――。
 富士山が望める露天風呂でリラックスしたいと思ったら、まず 温泉検索へアクセス。豊富なデータの中から条件に合った温泉施設が一覧で出てくる。さらに、エリア、料金などで絞り込みが可能。気に入ったスポットが見つかれば、 お気に入りBOXに施設を登録(ブックマーク)しておく。すべてのスポットが地図上で確認でき、さらに ご近所検索をすれば、ポイントの施設を中心に五キロ四方、十キロ四方などのスケールで、レストランやカフェ、土産屋、史跡などを検索することができる。
 駿河湾の海の幸を堪能したければ 食べる検索。離れのある純和風旅館で大切な人と過ごしたい、あるいは、家族で海水浴を楽しむのに便利な民宿を見つけたいと思えば 泊まる検索。陶芸の窯を訪ねてみたいと思えば 見る・あそぶ検索という具合に、検索機能で探し出したスポットを お気に入りBOXにストック。それらを使ってバーチャル旅行をしながら、自分だけのオリジナル旅プランを作成することもできる。将来は、道順や乗り継ぎ案内も検索し行程表を作成。行程表とともに地図データを携帯電話またはカーナビに転送できるようにし、現地にいながらこのデータを元に周辺の検索を可能にしていく予定だ。これなら目的地に着いて、海の幸ではなくてソバが食べたいと気が変わっても、臨機応変に対応することもできる。
 観光協会や旅行会社など観光プロが薦める旅プランを参考にしたい人向けに、 プロツアー検索もあり、実際にツアーの申し込みも検討している。



サイトイメージ
 
旬の伊豆を 届ける
 「花めぐり半島・伊豆」といわれるくらい、伊豆ではほぼ一年中、季節の花が楽しめる。そこで新サイトでは、季節の花検索を設けて、”今“見ごろの花、見どころのスポットを紹介する。加えて、 イベントサーチでは、日付ごとにさまざまな特色ある祭りや大会、行事の案内をする。
 これらの豊富なデータは鮮度が大切。新サイトでは、これまで面倒だった情報更新の仕組みをワープロの入力感覚で編集できるように簡略化することで、”旬の伊豆“をいち早く伝えられるシステムをつくった。写真やイラストを使った掲載も含めて、市町村や観光協会などのパソコンから瞬時に情報が書き換えられる。また、公の機関だけでは提供しきれない店情報や地域の隠れたスポットなど、地域情報特派員というボランティアネットワークを構築することによって、地元住民ならではの観光情報を掘り起こしていく方針だ。
 また、観光情報をデータベース機能にとどまらせることなく、雑誌のように季節に合わせた特集やテーマを掘り下げた企画記事を展開する計画。ユーザーニーズを測りながら、隔週ごとに一市町村をピックアップした特集を組む。専任の編集者が取材し、記事を書くことで、情報の鮮度や質をレベルの高いものに維持していく。
 サイトを見て、実際に伊豆を訪れた人たちからの情報を書き込める掲示板という機能も設定。これによって、充実したユーザーおすすめの伊豆情報が蓄積されることになり、ひいては双方向の魅力的な伊豆情報サイトとして成長していくことにつなげたい考えだ。


サイトは 地域の”顔“
 
 今、インターネット情報を「点」から「線」へ変える試みが始まろうとしている。新サイトは、静岡県の民間ポータルサイト「アットエス」と連動。ひとつの情報へたどりつくのに、複数の入り口からアクセスできることで、多くのユーザーにアピールすることが可能になる。
 「サイトは地域の”顔“。サイトが動き出すことで”表情“ができ、魅力的であれば、人はそこへ行きたくなる」と言い切るのは、ツーリズム・マーケティング研究所(東京)の中根裕主席研究員。「二十二市町村の協力がなければ魅力あるサイトの実現は難しいが、観光地として全国的に名高い伊豆だからこそ、官民連携してレベルの高いものを維持してほしい」と期待を込める。
 観光マーケティングを考える上で、「サイト上での情報のやり取りを通して、顧客とのパイプを強めることが大切。そこから観光動向や顧客の好みを調査して、観光戦略に反映させることができる」と中根研究員はアドバイスする。大交流時代の到来に備えて、伊豆全体の観光を考えるシンクタンク的な組織は必要不可欠で、人材育成の場としても有効活用することが課題である。   

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