静岡がんセンター研究所に期待する
静岡がんセンター研究所で共同研究を行う東工大、早大、東京農工大と、
大学連携をサポートする経済産業省に研究所への期待を聞いた。
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経済産業省大学連携推進課・中西宏典課長
全国的に見ても医学、看護、工学の連携は新しいアプローチ法と考えられ、この研究所をモデルケースとして注目している。国民の一番大切な健康をいかに増進するか、特にがんという、多くの国民を苦しめている部門の研究や医療サービスに結びつく大きな動きが静岡県にあることを評価したい。高齢化や医療費問題といった課題に対する新しい答えがここから出てくれば、国全体にも大いにプラスになると考えている。
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東京工業大学大学院生命理 工学研究科・大倉一郎教授
この研究所の研究体制は非常にオープンなシステムであり、そのため、全く違う分野との共同研究がやりやすいのではないかと思う。さまざまな組織と接触し、交流を深めることが研究の発展には必要不可欠なので、そういう意味で大変楽しみだ。 |
東京工業大学大学院生命理工学研究科・赤池敏宏教授
臨床の現場との結びつきが強いので、われわれ基礎研究のテーマ設定もかなり的を絞ったものになると思う。大学から送り込む人材には、どんどん臨床の勉強会に入れてもらうよう言ってある。また、プロジェクトごとにメンバーが入れ替わるという、ダイナミックな人的交流も期待している。
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東京農工大学大学院・松永 是教授
臨床に近いことのメリットは、腫瘍マーカーなどの結果をすぐに測定できる点だ。日ごろ患者さんの視点で物事を見る機会が少ないわれわれ工学関係にとって、研究所は素晴らしい学びの場であり、医看工連携の拠点にふさわしい場だと思う。
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早稲田大学研究推進部長・ 逢坂哲彌教授
臨床からと先端工学からの発信が融合することで生まれる、患者に本当に役に立つ研究を実用化したい。現在、いくつかの医療機関とこうしたコラボレーションを行っているが、静岡がんセンター研究所は現場の医療に直接つながる窓口の一つとして大いに期待している。 |