伊豆を訪れる観光客は年間4200万人、京都に次ぎ全国第2位の観光地だ。7割が首都圏からの旅行客で、そのうち6割が車利用。県の調べによると、伊豆の渋滞個所はおよそ25カ所。大きくは沼津・三島地区、熱海・伊東地区、下田地区に分かれる。首都圏から来るルートは2経路あり、真鶴を通り熱海・伊東方面に抜ける国道135号と、東名沼津インターから国道136号、414号を通るルートだ。伊豆半島は間口が狭いため、入り口にあたる沼津・三島と熱海・伊東、またそれら3つの国道(135号、136号、414号)が合流する下田付近でも慢性的な渋滞を引き起こす。さらに観光地特有の問題として、休日の渋滞のひどさが挙げられる。
県全体の道路整備予算は約700億円。伊豆地域にはその3割が充てられている。伊豆半島の主軸となる伊豆縦貫道は主に国の整備となるため、県の重点課題は南北軸となる国道135、136号の機能強化だ。具体的には国道135、136号で渋滞の激しいところからバイパス化や拡幅を進めている。先月18日には網代バイパスが開通した。
主要道路軸が完成すれば次のステップとして、南北軸の間をろっ骨のように結ぶ東西道路を整備する。基本的には現道の整備・拡幅や一部バイパス化を行い、伊豆縦貫道に建設が予定されているインターチェンジとそれぞれ結ぶ計画だ。
大規模な整備と並行して、即効性の効果が期待できるのが交差点の改良。平成13年から18年にかけ、2種類の交差点改良事業を県下全域で行っている。現道を見直し、右折レーンを設置するなど実情に即した工夫をこらすことで車の流れを円滑にする。用地取得などの大きな予算をかけることもない。伊豆地区では30カ所が対象となり、うち20カ所が完了した。「渋滞は残るが以前に比べると良くなったという地元の声を聞く」と県・土木部の石野功道路企画室長。このほか、雨量規制がある区間の防護策の強化や、河津桜まつりなどの大きなイベント時期を避けて工事を行うなど、さまざまな工夫を重ねている。
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