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■「ロボカップを契機にものづくり人材の育成をはかりたい」と語る高先生 |
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同市が特に力を入れるのは子どもたちへの啓発だ。ロボカップジュニアで沼津ノード(※)運営委員長を務める東海大学開発工学部の高正博教授は「子どもたちの理科・数学離れ、学力の低下が問題になっているが、これを放っておくと工学系、理系に進学する子どもたちが少なくなり、ひいては日本の技術力の低下につながりかねない。ものづくりが見直される背景にはこうした危機意識がある。ロボカップは、ものづくりの楽しさ、素晴らしさを遊びながら体感できるイベント。小中学生という早い段階からロボットやIT、プログラミングなどに触れることで、将来の技術者を育てるのがこの活動の大きな目的」と語る。
ロボカップジュニアは、中国・蘇州で今夏行われる世界大会の日本予選を兼ね、3月には沼津特別ブロック大会が行われた。市内だけでなく、裾野などから参加した延べ20チーム以上が熱戦を繰り広げた。それに先立ち、沼津市では1年ほど前から市内小中学校に呼びかけ、講習会を開催してきた。「この大会は初めてロボットに触る子も、ある程度知識がある子も、レベルに応じて参加できる。興味がわけばより深い知識を学べるところが魅力」と高教授。今大会を機に、沼津工業高等専門学校、沼津テクノカレッジ、沼津工業高等学校と協力して引き続きロボット教室を開催し、毎年、沼津から選手を出す継続的な活動にしたいと語る。
※ノード・・・主に市やその周辺を含むエリアの単位。ロボカップジュニアでは、いくつかのノードが集まってブロックとなる。
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