― 地域の問題としてどのようなことを感じていますか。
高木 沼津市内で酒店を営んでいます。配達エリアは南は修善寺、北は富士、箱根と広範囲ですが、常々感じるのは道路事情の悪さ。夜、車で走れば5〜10分の距離が、昼間は40分かかる。時間が読めないし、効率的に回れません。市町間で道路網がうまくつながっていないので都市間の結びつきが非常に弱いと感じます。
井伊 不動産業をしている関係でJR三島駅周辺に、大手が手掛ける商業施設を誘致したところ、駅の乗降客が少なく現状の道路網では広域から人を呼べないと断られました。新幹線駅にもかかわらず周辺整備の遅れで広域拠点の役割を担えずにいます。
駅前再開発一つとっても、三島市だけで考えていては外から人を呼べるようなものは作れませんね。
高木 人口が減っている今、経済力を維持するには圏域を拡大するしかありません。当然、市町ごとの計画は必要と思いますが、広域的な計画も作っていかないと経済圏が小さくなるのは目に見えています。そういう意味で東部のグランドデザインは必要不可欠です。
― 経済団体が描くグランドデザインは10市町(※1)を圏域としています。
高木 私たちは200万人SKY圏を広域連携の範囲と考えています。富士・箱根・伊豆のパワーがそろえば世界に引けをとらないと思うからです。ただ、今回の10市町は、特に沼津と三島がしっかり連携することが、圏域をまとめる絶対条件と考えています。
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