「スマートウエルネス」を複層的に補完するもう一つのキーワードが「ガーデンシティ=庭園都市=構想」。市民やNPO、事業者と行政が協働で水、緑、文化、歴史、景観などに「花」を加えた事業を展開。美しく、品格を備えた魅力ある都市を目指している。
同市が手本とするのがアイルランドのタイディタウン。1958年からごみのない街づくり運動を始めた。現在は景観や環境を含め美しい街並みを形成するコンテストを行うまでに発展し、ヨーロッパ全土から多くの観光客が訪れている。
ガーデンシティ構想のシンボル地区が三嶋大社から広小路に至る大通りだ。電柱類を地中化し、門前町の風情にあったデザインの照明灯を55基設置。その中段にフラワーポットをつけ、ビオラなど季節の花を植えている。最近ではきれいになった街並みを見ようと、市外から人が訪れるようになった。
市内に点在する遊休地や水田などにも市民の協力を得て花を植えている。同市中島には「花を愛でる会」が立ち上がり、地域のお年寄りなど約30人が花を植えている。
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■今後のまちづくりの方向性を表す場所として重要な役割を担う三島駅周辺 |
「当初は花を植えて何になるのという意見もあったが、花を植えることがお年寄りのやる気につながり、コミュニティーの輪が広がった。防災にもプラスだ。また、健康に関心のうすい約半数の市民には、自然に歩きたくなるような美しい街並みや健康になる仕掛けを構築中だ。これこそスマートウエルネスシティとガーデンシティの相乗効果」と豊岡市長は語る。
花のある美しい街並みにより交流人口も増え、商店も活性化していく。最近は、出店先の問い合わせも多く、空き店舗が足りないほど(産業振興部)だという。 |