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川勝 平太 静岡県知事 |
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岡野 光喜 スルガ銀行社長
サンフロント21懇話会代表幹事 |
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大坪 まちづくりについては、JR沼津駅北口に県と沼津市が整備する大型コンベンションセンターの名称が「ふじのくに千本松フォーラム」(愛称「プラサ・ヴェルデ」)に決まりました。富士山があり、千本松原があって、その先に伊豆半島がある。緑豊かなこの地にピッタリの名前でしょう。
川勝 沼津市の新展示イベント施設が13年に、これに県の施設などが加わったプラサ・ヴェルデが14年にオープンします。東部では医療系の学会やイベントがますます増えていくでしょうから、ここがファルマバレーの“情報発信基地”になるような利用法を考えたいですね。 岡野 医療系のコンベンションでは、医療機器の展示もセットで行われることが多くなります。利用者の使いやすさに配慮して、県の施設と市の施設は一体的な運営を行っていただきたいですね。また、年に1回プラサ・ヴェルデで医療機器の展示会を開いたらどうでしょう。それが毎年開かれることで、参加する企業や研究機関の数も内容もどんどん良くなっていくと思います。 大坪 産業の集積にアクセスは重要です。最大の関心事は新東名の開通でしょう。
川勝 古代・中世の東海道の出発点は京の都から始まり、それが江戸時代になって東を起点に大転換しました。今度の新東名は、静岡県から東西に延びる形になっています。静岡が初めて中心性を持ち、「東海道の新時代の幕開け」です。また、東駿河湾環状道路は13年に天城までつながります。南側の部分についても、河津―下田間の2期区間が事業決定されました。
富士山静岡空港は海外からの利用者数が全国8位となりました。台湾には週3便の定期便、韓国のプサンには頻繁にチャーター便が飛びます。また去年はハワイ便が1便増便になりました。
大坪 海外の方にとっても魅力的な地域になるのではないでしょうか。
岡野 当社のシンクタンク(財団法人企業経営研究所)は、県内の外国人教師を対象に助成事業を行っています。今年採用したテーマの一つが、伊豆八十八ヶ所霊場を調べて英語にするというものでした。四国八十八ヶ所霊場のお遍路は有名ですが、伊豆にもあるのです。それが外国の方から見てどのように見えるのか、今から研究成果が楽しみです。
川勝 最近では韮山反射炉が近代産業遺産群として世界遺産に入る可能性も出てきました。伊豆半島は世界ジオパークになる可能性があり、花も景観も美しい。韓国の済州島は世界的に有名なリゾートですが、伊豆は決して引けをとらないと思います。 |