御殿場JCTから三ケ日JCTまで全長162キロが開通した新東名。特徴は何といっても走りやすさ。東名と比べカーブや傾斜が緩やかなため、より安全で快適、高燃費の走りが可能になった。
また、東名と交通量が分散されるため渋滞が緩和、高速性・定時性が確保される。災害の発生や悪天候でどちらかが通行止めになっても、もう一方での通行が可能となる。
GW(ゴールデンウイーク)時期(4月27日〜5月6日)の10日間、御殿場JCT〜三ケ日JCTの交通量は9万2500台。昨年の同時期に比べ22%増加したが、分散効果で東名の交通量は42%減の5万3200台、新東名は5万9700台となり、10キロ以上の渋滞回数も60回から5回に激減した。
県交通基盤部の村松篤道路局長は「交通量が分散され、定時性が確保できるのは大きなメリット。観光や物流などの産業面はもちろん、地域の医療機関などの連携も進むのではないか」と新東名の効果に期待する。
特に観光面の期待は高い。目的地までの時間が短くなれば、立ち寄る場所を増やしたり、滞在時間を延ばしたりできる。もう少し足を延ばそうという気にもなるだろう。また、新東名は内陸を通るため、今までとは違った地域にも目が向くようになる。東部が主な商圏としていた首都圏が近くなるだけでなく、中京・関西圏にも広がる。
例えば、名古屋から3時間圏内は清水周辺だったが、新東名を使えば御殿場まで行ける計算になる。中京圏から御殿場のアウトレットモールに日帰りで来ることも可能だ。
新東名自体も観光スポットとして人気を集める。東名高速道路を管理するNEXCO中日本は、インターネットによる事前の申し込みで静岡エリア内が乗り降り自由になるプランを企画した(9月30日まで)。
新たにサービスエリア・パーキングエリアも7カ所設けられた。一般道からも入れるため、地域の産業や観光の起爆剤になることが期待されている。連日、テレビや雑誌をにぎわせており、GW中は7施設あわせて休日で平均30万人、平日で15万人が来場した。これらを巡るバスツアーも好評だ。 |