展示イベント施設「キラメッセぬまづ」は、1998年にサンフロント21懇話会の提言を受け、沼津市が設置した。東部のにぎわいを生み出し、地域の活性化に役立てるのが狙い。天井をテント張りにした実験的施設と位置付け、約12年運営した。その間、駅に隣接した立地や低料金、搬入出のしやすさが支持され、平均73%という高い稼働率を実現した。
これまでの成果を踏まえ、市は建て替えを決定。また、隣接する土地に1100人が収容できる大ホールや中小会議室からなる県の国際会議場と客室数150室のホテルも整備されることになった。
「キラメッセぬまづ」は旧施設の長所はそのままに、新たにフロアを3分割できる間仕切りを導入。音響、照明、空調などを大きく改善した。料金こそ旧施設の1日当たり39万円から約49万円にアップしたが、県内の同種同規模の展示施設に比べると一番安い(沼津市市街地整備課)という。
栗原裕康沼津市長は「すでに多くの引き合いもいただいている。旧キラメッセの『日本一やさしい施設』という理念をしっかり引き継ぎ、お客さまの満足度向上に努めたい。加えて、コンベンションの誘致も大きな課題。そこで、今年から幅広い人脈と経験を持つ産業振興部参事を誘致の専任とした」と語る。
今月末には建物の躯体が立ち上がり、全体像が見えてくる。完成は来年2月末。オープンは6月29日に決まった。
管理運営には指定管理者制を導入。利便性を高めるため、2年後にオープンする県の国際会議場と同一の管理者を選定する。沼津市市街地整備課の山田昭裕コンベンションセンター開設準備室長は「指定管理者は施設の管理運営及び企画営業、PR、予約とあらゆる仕事を行う。施設の健全運営と東部地域の活性化を両立できるような民間の運営力、企画力、営業力に期待したい」と話す。また、2週間ごとに県との連絡会議を開き、スムーズな運営体制を検討している。
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