 |
川勝平太 知事 |
 |
大坪 檀
静岡産業大学研究所所長
サンフロン21懇話会アドバイザー
|
|
大坪 間もなく富士山の普遍的な価値が世界に認められます。ファルマバレープロジェクトの特区指定、伊豆半島ジオパークの日本ジオパーク加盟、新東名の開通と、東部に次々と新しい動きが出てきていますね。
川勝 川端康成は「伊豆序説」の冒頭で「伊豆半島全体が一つの大きい公園である」と、その美しさをたたえています。
美しい場所に住む人々が病んでいたり、家が倒れていたりというのは決してよくありません。美しい風景と美しい人の営みをつくる技術・施設基盤こそがファルマバレーのイメージです。国の総合特区にも指定されました(※1)。その背景には本県が医薬品・医療機器の生産高全国1位が挙げられます。
岡野 特区指定では、特に金融面の支援が可能になりました。これは非常に画期的なことだと思います。
例えば、最大0.7%の利子補給を5年間継続するといったことです。
川勝 医療人材の育成も県立静岡がんセンターが中心となって東京工業大、東京農工大、早大、慶應大の全面的な協力のもと進めています。沼津高専も県と提携を結び、医療における先端技術、地域の発展のために協力をしています。
このように高専、都内の大学、がんセンターを中心に文字通り学術教育的な研究拠点ができ、産業が集積しつつあります。 大坪 長泉高校跡地もファルマバレーの新たな拠点に生まれ変わります。
川勝 道路を1本隔ててがんセンターがあり、東名、新東名、国道246号など、アクセスも抜群です。医療機器開発のインキュベーションや医療人材の育成、ファルマ関係者の交流機能などを盛り込みたいと考えています。 岡野 高齢化社会になればなるほど、医薬品や医療機器の必要性は高まってきますので、今後もファルマバレーから成果がたくさん生まれるといいですね。懇話会も支援してきたかいがあります。
 |
■ファルマバレーを中心に据えた、新たな地域の可能性について語る(左から)川勝知事、岡野社長、大坪所長
|
※1 国の新成長戦略を実現するため、先進的な取り組みを行う地域に対し、規制緩和、税制・財政・金融上の支援措置を総合的に行う制度。「国際戦略総合特区」と「地域活性化総合特区」があり、「ふじのくに先端医療総合特区」は後者となる。 |
|