キラメッセは2011年3月に閉館した旧キラメッセをリニューアルした施設。3875平方メートルの多目的ホールや市民ギャラリー、立体駐車場などで構成される。多目的ホールは音響設備が格段に向上し、大型トラックが直接場内まで入れるため、搬入もスムーズだ。県産材を多用し、南北壁面をつる植物で緑化するなど、環境にも配慮している。
来年夏には、隣接する県の国際会議場とホテルもオープンし、浜松のアクトシティ、静岡のグランシップに匹敵する複合型コンベンション施設「プラサヴェルデ」が本格稼働する。
県と市は利用者の利便性向上と効率的な施設運用のため、プラサヴェルデの管理を共同で行う。昨年、指定管理会社が決定した。PCO国内最大手「コングレ」と学会専門の地元PCO「コンベンション静岡」の共同企業体「コングレ・コンベンション静岡グループ」だ。
PCOとは、コンベンションなどの企画・運営専門企業をいう。大規模な会議では、宿泊・交通、機材レンタル、食事・レセプション、通訳、看板など業務は多岐にわたる。主催者の負担の軽減や効率的な運営にPCOは欠かせない。
同グループは本年度から6年間の契約でプラサヴェルデの管理運営をする。主な業務は(1)施設の安全な管理運営(2)コンベンションの誘致・運営(3)自主事業の開催―だ。
プラサヴェルデの田中伸幸館長は「大きなイベントでは日に3万5,000人のお客さまが訪れる。いかに快適に利用していただくか、警備方法や駐車場の案内などについて主催者と細かく協議をしている。また、地域の方と対話しながら、館周辺のハザードマップを作るなど、安全管理にも力を入れている」と語る。
今後、力を入れるのは学会誘致。準備には2〜3年かかるため、どの学会の会長が誰になったかといった情報をいち早く入手し、誘致する行動力が求められる。また、各会場に同時通訳、タイムキーパー、プロジェクターなど多くの専門家や機材が必要だ。パソコンでの受付は当たり前で、動画を使った外国語の発表も多い。国内最大手のコングレには幅広い人脈と専門性の高い協力企業群がある。逆に、地元で対応できる部分はコンベンション静岡がノウハウを提供する。
コンベンション静岡の大川敦士副理事長は「学会誘致は“総力戦”。コングレが営業に行くにも、県、市のバックアップ体制がしっかり見えないと難しい。逆に、県や市が学会を誘致する際に、最大手のPCOと地元に精通したPCOがある、というのは大きなプラス。全員がいろいろな形で営業し、足りない部分は全員で補っていくことが大切」という。
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■先行して開業したキラメッセぬまづ。右端は建築中の国際会議場 |
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