中山 旧キラメッセは「日本一やさしい施設」をコンセプトに多くの支持を集めました。
川島 島根県松江市に「くにびきメッセ」というコンベンション施設があります。ここのウェブサイトは「心のこもった細部まで行き届いたサービス」「マンツーマンのサポート」。この二つをメッセージとして発信しています。松江市も沼津市と同じ20万人都市ですが、国際会議の誘致数は全国12位です。完全な顧客視点、顧客のメリットを考えたメッセージがウェブサイトの隅々まで行き渡っています。
海外ではノルウェーのオスロ(人口50万人)も国際会議の開催件数が多い。ここのウェブサイトにはオスロコングレセンターが選ばれる理由が書いてあります。「主催者の困りごとを解決します。担当者が一貫してサポートします」―。松江市と一緒ですね。そういう精神が営業や運営に反映されていて、それが誘致につながっています。ですから、このサイズでは国際会議が無理だと軽々にあきらめる必要はありません。
広江 プラサヴェルデで一番大きな会議室の収容人数は1,100人、多目的ホールの平土間なら5,000人です。細かく区切ればもっといろいろな使い方ができるでしょう。しかし、主催者から何ができますかと聞かれた時に「何でもできます」は、かえって分かりにくい。
ですから、国際会議、企業展示で3パターンずつ、それに観光をセットしたパターン、食をセットしたパターンなどを作って提示しないと伝わらないと思います。その情報はウェブサイトにも必要です。
窪島 地域の強みを生かす方法もあります。米ミネソタ州のロチェスター市にメイヨークリニックという病院があります。患者には米国の歴代大統領やヨルダン国王をはじめ、各界のVIPが名を連ねています。医療をやっている人間はここに行ってきたよ、というと自慢になります。ロチェスターには医療以外の学会は行かないが、医療関係者は行きたがります。
強みが先か、施設が先かというところですが、強みを生かした理由を見つければいいと思います。 |