健康寿命日本一となった静岡県。さらなる健康寿命延伸に向けた「攻めの健康づくり」を官民で推進している。
県が進めるのは、健康寿命を延ばす「ふじのくに健康長寿プロジェクト」だ。
主力は「ふじ33プログラム」。普段の生活で実行可能な「運動」「食事」「社会参加」の3分野で目標を決め、3人が一組になって励まし合いながら3カ月実践し、望ましい生活習慣の獲得を目指す。2013年の「健康寿命をのばそう!アワード」は厚生労働大臣最優秀賞を受賞した。
「健康マイレージ事業」は、日々の運動や食事の見直し、健康診断の受診、健康講座やスポーツ教室、ボランティアなどの社会参加を通じて健康づくりに取り組む住民に優待カードを発行し、協力店でドリンク1杯無料やポイント加算などのサービスが利用できる制度。県内35市町のうち、本年度は24市町が参加する。カード発行累計1万枚、協力店は約700店舗に増えた。
県健康増進課の土屋厚子課長は「本県の健康寿命は日本一だが、平均寿命との差はまだ男性が8.35年、女性は10.89年もある。その間は自立した生活ができず、何らかの介護が必要となる。健康寿命を延ばす一方で、生活の質を向上するために介護期間を短縮するのも大きな目標だ。それには、7割と言われる健康無関心層をいかに健康づくりに向かわせるかがポイントで、若いうちから多面的なアプローチをしていきたい」と語る。
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■三島市街地に開設した「みしま健康塾」 |
新たに取り組んでいるのが「健康データの見える化」だ。市町や企業など医療保険者から健診データを集め、分析し、血圧や喫煙率などをチャート化している。例えば熱海市や伊東市は女性の喫煙率が県平均の2倍だったり、職種によって肥満が多かったりといった状況が浮き彫りになった。それらの課題解決に向けたピンポイントの施策を打っていくという。
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