― ファルマバレープロジェクトは夏に第3次戦略計画の改定が行われ、医薬品・医療機器の合計生産金額の目標を当初の年1兆円から2兆円に大幅に引き上げました。
大川 ここまでの集積ができたのは、確実に静岡がんセンターの力です。病院だけでなく地域全体で医薬工連携を構築していくのだ、という山口建総長の思いが非常に強い。また、病院は通常何らかの形で公的支援が必要ですが、これは県がきちんと支援をしています。県政そのものがぶれておらず、実績をきちんと数値で上げ、定期的に未達成を含めて全て開示することで信頼度を高めています。
― 国の特区(ふじのくに先端医療総合特区)も高く評価されています。
大川 国はバランスよく評価するので、それで高い評価というのは素直に喜んでいいでしょう。しかし、これはあくまで国の基準です。世間一般に、人間は数値目標に対して何らかの無理をしがちです。本来はその数字は本当の目標の一指標でしかないのに、それを目指してしまい全体像がなくなる。ですから評価に左右されず、当初描いた地域構想を堅持して進めるのが一番大事です。

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