海野 無料駐車場は静岡や浜松ナンバーの車で平日でもいっぱいです。
出野 浜松方面の方も最初は中部国際空港を利用していましたが、リムジンタクシーを始めたり、駐車場が無料ということがだんだん周知されたりして、利用が広がりました。
海野 今月、ANAを傘下に持つANAホールディングスと包括連携協定を締結しましたね。ANAのネットワークを生かした県産品の販路拡大が期待されています。
出野 ANAの機内食やラウンジサービスで県産品を積極的に使ってもらっています。また、ANAが持つ那覇の貨物輸送基地には、日本中からさまざまな品物が集まって世界に出ていきます。例えば東部から品物を送る場合、静岡空港からANA便で那覇に行き、その日の夜にシンガポール便で届けることも可能です。宅配便とも連携していますから、生鮮品も送れます。
貨物輸送はこのところ増えていて、台湾から胡蝶蘭の定期便があったり、ボジョレーヌーボーが入ってきたりしています。
また、輸出面でも、山梨県の薬品メーカーが静岡空港から薬を輸出しています。中部横断自動車道の全面開通を見越しての取り組みです。こうした、付加価値の高いもの、また小ロットのものの扱いは今後増えてくるでしょう。
海野 中部横断自動車道が佐久小諸JCTまで全面開通すれば、さらに広域からの利用が増えますね。特にビジネス需要は期待できます。
出野 もともと山梨県の企業は清水港を利用していますが、航空貨物は成田空港でした。けれど、成田は大変混みます。その点、静岡はスムーズに手続きが行えるので、こちらにシフトし始めています。そのために税関はもちろん、検疫、動物や植物の検疫などの手続きも全て静岡空港で行えます。
このように、成田、羽田の代替というだけでなく、静岡空港が目的地になるような利用の仕方が増えてきています。特に観光面では、伊豆や富士山をはじめとする素晴らしい本県の魅力を堪能することを目的とした個人旅行客に、羽田や関西国際空港経由でなく、静岡に直通で来た方が良いと思っていただけるよう、国際線のさらなる充実を図っていきます。 |