2016年度の沼津市観光交流人口は約414万人に上る。白砂清松の千本松原、沼津御用邸、三津シーパラダイスや淡島マリンパークなどの観光スポットの集積に加え、ここ数年で内浦漁協が直営する「いけすや」や、北条水軍の拠点として国の史跡に指定された「長浜城」など、新しい観光スポットもお目見えした。最近では人気アニメの「聖地」としてファンが押し掛けている。
市は本年度、(1)海(2)スポーツツーリズム(3)情報発信―に力を入れる。同市観光戦略課の湯川真由美課長は「見る観光から体験する観光が求められている。いけすやでとれたてのアジ丼を食べたり、長浜城北条水軍まつりで海に向かって放たれる火縄銃の『ドン』という心臓に直接響くような音を楽しんだり、五感で沼津の海を感じてもらいたい」と語る。
また、海岸を使ったイベントの支援も行う。牛臥海岸の沼津ビーチフェスは市民中心に行われて今年で5年目。昨年からは牛臥山公園にエリアを広げ、ワークショップや各種のショップなども出店されるようになった。市がハード整備に力を入れ、市民や民間事業者がさまざまなアイデアで活用するという好循環が起こっている。
スポーツにも力を入れている。国際大会の事前合宿誘致やサッカーJ3「アスルクラロ沼津」の応援とともに、海や砂浜を活用したヨット、オープンウオータースイミング(遠泳)、ビーチサッカーなど、海水浴だけでないマリンスポーツのメッカを目指す。
また情報発信は、沼津を訪れる人に食事処や宿泊施設の紹介をはじめ、観光スポットなどを盛り込んだモデルコースを提案する観光ポータルサイトを本年度新たに作成する。
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■沼津市内浦の発端丈山から見る夏の海岸線。左手は淡島 |
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