青山 今日は懇話会が提言した基本構想をベースに、原・浮島地区のまちづくりについて考えます。
大村 新東名が開通して5年がたち、スマートICが完成しました。東海大の跡地に県の先端農業技術研究所「AOIパーク」ができ、農産物の研究が進められていきます。この地域で一番の課題だった軟弱な地盤も新放水路の着工で改良が進むと思います。まさに100年に一度のチャンス。地域を挙げてこの提言を実現させたいと思います。
矢作 AOIパークは8月にオープンしました。慶応大SFC研究所も入居しており、研究領域、教育連携、産官学連携を進めていきます。
日本の健康教育は遅れていますので、小中学校の段階で教育したいと思っています。また第一線の研究にも触れさせたい。研究については、一つはAI農業です。農業そのものを科学とデータで高度化していく。二つ目が農業と食料、健康情報の連携基盤の開発です。
静岡県も就農人口の高齢化が急速に進んでいます。医療業界でも臨床技術が継承できない問題があり、暗黙知をどうやって次世代につなげるかが非常に重要です。また農産物も外国産に押されつつありますので、どう付加価値を高めていくかを真剣に考えていかなければならない。そこに特化しようと思っています。
西野 この地域の可能性を考える上で、東部地区全体の産業構造を俯瞰(ふかん)する必要があります。産業でいうと電子機器、製紙。ファルマバレーも全国1位の医療産業集積になりました。先端産業である健康関連産業が次の静岡県全体をリードするという構造になっています。また炭素、セルロースナノファイバー(CNF)などの新素材もあり、ポテンシャルはとても高いと考えています。
交通については、東駿河湾環状道路が延伸すればここが中心となるでしょう。また、中部横断自動車道が3年後に全面開通する予定です。清水からこの地域が物流の拠点になります。これは大きなもので、おそらく若者も含め、新潟、長野、山梨などから相当多くの人が太平洋側に来てくれるのではないか。観光面でも相当期待できると思います。 |