大石 県東部でサイクルスポーツ関連の動きが活発ですね。
山本 県庁で話題になり始めたのは3〜4年前です。当初は道路の整備や交通安全教室の開催などでしたが、昨年度スポーツ局ができ、スポーツの参加意識の向上、地域振興などを担っています。東京から近く、富士山がきれいで、住民がとてもフレンドリーで、かつ、自転車に興味を持っている、サイクルスポーツの中心地なんだと世界中から思ってもらうことが重要と考えています。
木部 県東部地域スポーツ産業振興協議会は現在東部20市町、県、民間団体の計101団体からなります。4年前に立ち上がりました。名前の通りスポーツを産業として振興させる、地域の産業として根付かせることを官民で進めています。
芹沢 伊豆箱根鉄道の広報を担当しています。自転車関連の仕事が増える中、鉄道沿線に伊豆ベロドロームが完成しました。
私が自転車を始めた理由は健康のためで、すでに5キロほど減量に成功しました。週末しか乗っていませんが、効果が出たと思っています。
自転車に乗っていると集中できます。もちろん、気分転換にもなります。また、カメラが趣味で、風景や建物を撮りに出掛けます。車の場合は駐車場に困ることもありますが、自転車はその心配もありません。当然、特別な装備もいりませんので町の温度や匂いを感じることができます。
木部 自転車の魅力は、乗る人によって変わってきますが、通勤通学などの移動ツールとしての需要が一番大きいでしょう。次に旅行先での楽しみです。また、気分転換になったり、仲間とのコミュニケーションツールになったりもします。ファッションも楽しめますね。もちろん、健康にもなります。
人によっては急坂にばかり挑戦したり、1日100キロも走ったりしています。この多様性がスポーツ振興にも産業振興にもつながるのではないでしょうか。
自転車で代表的なイベントはニューヨークで行われています。ニューヨークの公道を、大手を振って自転車で走れるというもので、地元の協力をもとに毎年5月に約3万人が集まるイベントとなっています。また、コペンハーゲンは約500キロの自転車通行帯が整備されています。
飯島 競技の魅力や観戦ポイントを少しお伝えします。
まず、トラック競技です。伊豆ベロドロームは1周290メートルの国際基準を満たした木製コースです。走行抵抗が少なく、走路の幅が広いので、好タイムが期待できます。また、選手との距離が近いのがトラックレースの魅力です。選手が走った風、ウエアの洗剤の匂いまで分かります。視覚的にも迫力があり、五感で魅力を感じられます。
次にロードレースです。平地と山岳地の200キロほどの距離を一斉に走るチーム競技です。見どころは各チームの「エース」を勝たせるための戦略。特に上り坂は絶好の観戦ポイントです。
マウンテンバイク(MTB)はロードやトラックと違ってスピードは速くありません。選手たちは高温と多湿に苦しめられるのでサバイバルな展開が予想されます。勝敗はタフさやスタミナで左右されます。
ビーエムエックス(BMX)は非常に注目が集まっています。スタートは24人、決勝は8人です。何が起きるか分からないのがこの競技です。コース上にトリックと呼ばれるさまざまなものを置き、自転車競技の中では唯一の採点競技です。成熟したスポーツ競技に新しい風を吹かせる種目です。 |