青山 まちづくりの現況と首都圏との関係性についてお話しください。
豊岡 三島駅南口は東街区と西街区に分かれ、どちらの土地も国鉄清算事業団から払い下げを受けました。東街区は払い下げの土地と周辺の商店を合わせた1.3ヘクタールで再開発事業を行っています。ミサワホーム、野村不動産などの事業者と、地権者で組合をつくって開発を進めています。
東街区の開発コンセプトは「広域健康医療拠点」。メインとなる24階建ての建物の4階に、高度な健診機能を持った医療施設が入る予定です。他にも保育園や住宅棟、商業施設、大きな駐車場が計画されています。完成予定の3年半後には、三島駅南口が大きく様変わりするでしょう。
駅前だけでなく市全体の活性化を図るため、三島駅南口と三嶋大社、そして三島広小路駅を結んだ三角形を中心市街地とした「三島市まちなかリノベーション推進計画」を作りました。既存の商店に魅力的な店舗になってもらえるよう、関係機関や商店街の人たちと連携しながら取り組んでいます。
森本 再開発事業のような大きなまちづくりは、千載一遇のチャンスです。機会を生かさないと、東京100キロ圏内を生き抜くことは難しいでしょう。そのため今後のまちづくりでは、移動手段をどう組み合わせるかを考えてほしいですね。基本は歩く空間で、場合によっては自転車の空間、また、鉄道との連携が必要かもしれません。あるいは、自動運転など次世代交通機関を取り入れてみるのもひとつです。既存と新設の交通手段を両輪で進めていくと、相乗効果が生まれます。
神田 私は三島市に住みながら新幹線で東京の会社に20年通っています。コロナ禍前は始発で会社に行き、終電で帰る生活を送っており、県東部のことをほとんど知りませんでした。しかし近年は、コロナ禍をきっかけにテレワークができるようになり、移住者が増えたことで、まちが活性化されていると感じます。
特に三島市はそれが顕著ですね。市内にゲストハウスやコワーキングスペースを運営している人がいたり、ウイスキー蒸留所ができたり、移住者が活発に活動しています。移住者の「外から見る目」が、三島市のコミュニティーに大きな影響を与えているのではないでしょうか。 |