阪口 各市町や施設のインバウンドの現状についてお聞かせください。
込山 小山町は静岡県の北東に位置し、神奈川県と山梨県に隣接しています。富士山5合目の須走口は、かつて皇族が登ったとされ、登りやすい登山口として有名です。町を訪れる観光客は年々増しており、受け入れ体制の強化に注力しています。
その一つがホテルの開設ラッシュです。町内の観光資源を生かしたホテルやヨーロッパ・長期滞在向けをターゲットにしたホテルなど5つ星レベルのホテルがオープンまたは、計画・建設されております。昨年には、町全体の宿泊客数は18万人にのぼり、そのうちの76パーセントをインバウンドが占めています。
勝又 御殿場市は御殿場プレミアム・アウトレット(以下、アウトレット)をはじめ、多くのインバウンドが訪れており、静岡県ではトップクラスです。
インバウンドにおける一番の強みは富士山交通の利便性です。新東名・東名と、山梨方面に続く東富士五湖道路が直結しており、さらには伊豆方面に繋がる伊豆縦貫道へのアクセスも良好です。交通の利便性がまちづくりの上で大きな強みとなっています。また、インバウンド向けの魅力づくりとして、富士山の伏流水を使ったお酒を展開しており、日本酒からビール、ウイスキー、ワインまで様々な種類のお酒が揃っています。
加藤 アウトレットは今年25周年を迎えます。これまで震災やコロナ禍など社会情勢の影響を大きく受けてきました。その中でも23年度の延べ利用者数は1100万人を超えており、今年度もそれを大きく上回る想定です。
また昨年度は56万人以上のインバウンドが来場しました。把握できない個人や小団体の来場数も含めるとそれを大きく上回っていると思います。メインは東アジア方面、近年では東南アジアからも増えてきています。このような状況を受けて2014年、社内にインバウンド専属チームを作り、アジア諸国に出向いて営業活動を行ったり、日本での受け入れ体制を強化したりしています。
成功の理由はゴールデンルート上にある立地の良さです。富士山麓は河口湖や箱根など日本有数の観光地を多く有しています。またアウトレットとして生命線でもあるブランドミックスにおいても国内外の著名ブランドにご出店いただけているのも成功の要因だと考えています。
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