サンフロント21懇話会 静岡県東部地域の活性化を考える
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風は東から「2025.05.23 静岡新聞掲載」

サンフロント21懇話会30周年記念 県東部首長リレーインタビュー

 官民一体で県東部の活性化策を探る「サンフロント21懇話会」は、光輝く地域づくりに向けて研究・提言活動を行っている。6月には設立30年の節目を迎える。それを記念して「風は東から」では、懇話会と二人三脚で県東部を盛り立ててきた20市町の首長にリレー形式で登場いただく。5月は、長泉町の池田修町長と清水町の関義弘町長に、ハードとソフトの両面からまちづくりの今後について話を聞いた。

[サンフロント21懇話会企画]
シリーズ2

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長泉町 “町民の日常生活が安心安全で充実している“まちづくりを推進
町民の声に即応する行政に
■池田 修 長泉町長
長泉町出身。1980年工学院大電気工学科卒業後、長泉町役場へ入職。職員として教育部長、総務部長などを務めた後退職し、2013年に長泉町副町長に就任。その後17年に長泉町長に初当選し、現在2期目

長泉町では「町民の日常生活の充実・満足度の向上」を最優先に据えたまちづくりを進めてきた。まずはインフラ整備などのハード面をしっかりと整え、その上で子育て支援や高齢者支援といったソフト面を充実させることが重要と考えている。小規模な町だからこそ、町民の要望に対して迅速に対応できる強みを生かし、満足度の向上につなげてきた。
その象徴的な取り組みが子育て支援である。約50年前、他の自治体に先駆けて子育て施策を開始し、「子育てするなら長泉」というキャッチフレーズで全国的に知られるようになった。このブランド力を一層高めていくためにも、引き続き子育て環境の充実に力を注いでいく。
また、若者が町に定住できる環境の整備にも注力している。未来人定住応援事業奨励金制度を設け、この制度にエントリーした学生(未来人)に町の利便性、特に首都圏へのアクセスの良さを実感してもらうため、新幹線で通学する学生に対する定期代の補助や、大学等を卒業後に町内に住所を有し、5年以上の継続居住および正規雇用として働いた若者への奨励金制度を実施している。こうした制度により、町外へ進学した若者にも「長泉町に戻る」選択肢を提示している。現在は年間約200人が制度を利用し、その約半数が町への定住を選んでいる。
今後は、働く場の確保にも取り組んでいく方針だ。特に新東名長泉沼津インターチェンジ周辺は、物流拠点としての高いポテンシャルを有しており、産業の集積地として企業誘致を積極的に進めていく考えだ。

■長泉町の未来を担う若者「未来人」
がまちづくりに貢献


■暮らしを支える道路整備

■都市計画道路沼津三島線の開通式

町民が安全かつ快適に暮らせる環境づくりとして、道路をはじめとするインフラの整備にも力を入れてきた。県道沼津三島線から町の中央通り(中土狩竹原線)に至る区間はすでに完成しており、今後は三島市の東側への延伸を目指して関係各所との調整を進めている。
また、県立静岡がんセンター方面での交通渋滞に対応するため、ウェルディ長泉前のT字路を北に延伸し、迂回路を整備する計画を進めている。こうした迅速な施策により、「町内でいろいろな動きがある」という実感を町民に持ってもらえるよう努めている。
加えて、町単独では対応が難しい課題については、周辺自治体と連携し、広域的な対応を図っている。具体的には、消防やごみ処理の広域化、「ふじのくにフロンティア推進区域」の指定などが挙げられる。今後も一つひとつの地域課題に丁寧に向き合いながら、生活利便性の向上と地域経済の活性化を目指していく。



清水町 健幸を軸にした世代共生のまちへ
■新たなまちづくりについて
■関 義弘 清水町長
清水町出身。1978年、清水町役場へ入職。企画財政課長、総務課長などを歴任し、2015年から清水町副町長に就任。その後19年から清水町長に就任し、現在2期目。東京理科大理工学部卒

清水町は、柿田川に代表される豊かな自然に恵まれ、これまで培ってきた「暮らしやすさ」が大きな魅力となっている。しかしながら、全国的に進行する人口減少と少子高齢化の波は本町にも及んでおり、今後のまちづくりには新たな視点と工夫が求められている。
その中でも特に重要なのが、若者の定住と考えている。進学や就職等で町を離れた若者が再び町に戻り、住み続けるための環境づくりの一つとして、区画整理や地区計画の作成など、限られた町土を有効活用し、雇用の場や住宅地を創出する取り組みを進めていく。
また、既存の町内企業の魅力を発信することも重視している。毎年開催している「産業祭」では、町内外の子どもたちに向けて地元企業の仕事や魅力を伝える機会を提供しており、将来の地元就職につながることを期待している。さらに、町内企業と教育機関の連携によるキャリア教育やインターンシップの機会創出にも取り組んでおり、地元定着を後押ししている。
本町の宝である柿田川の保全と活用も、まちづくりに欠かせない要素だ。柿田川公園が国道1号から見えづらいという現状を改善すべく、垣根の除去や歩道との一体化による開放的な空間づくりを国とともに進めていく。また、湧水の道や清水小学校教材園を活用し、町民や観光客に柿田川の魅力を再発見してもらえるような取り組みも行っていく。

■毎年秋に開催される産業祭



■いつまでも健康で暮らせるまちへ

少子高齢化が進む中、町では「笑街健幸都市」の実現を掲げ、高齢者の心と体の健康増進を支援するため、高齢者のスポーツ施設の利用を無料化し、気軽にスポーツを行う機会を増やすことで外出する機会の増加を促している。高齢者の生きがいづくりに有効であると考えるこの取り組みを、スポーツ施設以外の公共施設の利用についても対象を広げる予定だ。
また、将来的には、自家用車に頼らず歩いて暮らせるまちを目指していることから、大型ショッピングセンターのサントムーン柿田川周辺を拠点とした公共交通網の構築に向けた計画策定を進めていく。
社会情勢の変化に柔軟に対応するには、行政と町民がともに考え行動する「協働・共創」の姿勢が一層求められる。町では地域コミュニティーの活動に対する支援制度を設けており、町民の積極的な参加を促しているところだ。今後とも町への愛着と誇りを育みながら、誰もが暮らしやすいまちを町民とともに築いていくことに注力していく。

■清水町レクスポ大会


■企画・制作/静岡新聞社地域ビジネス推進局

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