サンフロント21懇話会 静岡県東部地域の活性化を考える
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県東部地域連合「ひかり輝く地域づくり」に向けて

 県東部特集として「風は東から〜ひかり輝く地域づくり」の第2回目です。
 毎月1回、県東部と関わりの深い各界の方々にご登場いただき、県東部の将来像についてさまざまな視点から光をあてていきます。案内役はサンフロント21懇話会アドバイザー、静岡産業大学国際情報学部教授の大坪檀氏。
 今回は東部県行政センターの清水強所長にご登場いただき、県が推進する東部地域の振興策や広域行政などについて対談していただきました。

風は東から
3周年記念  ●対談シリーズ・・2
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分担の発想で負担軽減 観光、道路から連携探る
中、西部に比べてアピールが弱い東部。
一体となるために核となる事業を展
大坪 ついこの間は伊豆文学フェスティバルや世界半島会議が行われ、2000年には伊豆新世紀創造祭が予定されています。いま県は東部が脚光を浴びるよう盛んに働きかけ、一方で情報発信をしていこうとしている。そこに先月、ロシアのエリツィン大統領が川奈へ来日されました。これはとても良いタイミングだったと思います。
清水 確かにとても良いタイミングでエリツィンさんにきていただきました。伊豆のすばらしさや、特産品の「緑茶」のPR効果も絶大でした。また、2001年には東海道四百年祭、来年は西天城高原で全国植樹祭が行われます。今年は世界女子ソフトボール選手権が富士宮市で、富士山こどもの国も来年五月に一部オープンします。そういったイベントを通じてこの東部を大いにアピールしようとしている時に、世界的な情報発信ができた。これでますます東部に目が集まるのではないかと非常に喜んでおります。
大坪 今までは誰も静岡どこ?伊豆ってどこ?と思っていたところに、すごいチャンスが来た。行政、民間、産業界が一緒になってこのチャンスを生かしていく必要があると思います。
清水 これまでは東部はいまひとつアピール度が少なかった。なんとなくまとまりがない、そんな声も聞こえていました。しかしながら、東部初の大規模展示イベント施設がJR沼津駅北口に十月にオープンするなど、いろいろな条件整備によってまとまりの機運が出てきている。そういう時期に東部の事起こしの事業を県が支援して実施しようとしていますから、これらをきっかけに東部のまとまりが一層高まっていくものと考えています。





行政の枠にとらわれない自由な発想。
新しい観点から新しい伊豆の在り方を生み出していく。
大坪 多彩なイベントが予定されている東部ですが、観光面では景気の低迷や最近の群発地震などで観光客が減ったということですが。
清水 伊豆全体の入り込み客は昭和六十三年度の7300万人をピークに、二割落ち込んでいます。21世紀への更なる発展に向けて、世界にアピールできる伊豆をうち立てていかなければならない。その意味においても2000年の「チェンジ伊豆2000!伊豆新世紀創造祭」は、まさに21世紀の伊豆へ向けたビッグイベントと考えています。
大坪 「イズノスケ」というかわいいカエルがキャラクターなんですね。
清水 ええ「伊豆ワカガエル大作戦」です。従来の団体客重視の観光から家族、友人など小グループに対応した新しい観光システムの提案を核に、地元の人も気づかないような伊豆が持っている多様な魅力を掘り起こし、新しい伊豆の特色を積極的にアピールしていこうというものです。具体的には温泉、食、スポーツ、文化・体験の四つをテーマとする多彩なイベントの展開と、伊豆の魅力を結ぶ新しい観光ルートを設定し、七つの回廊としました。従来の集中型の博覧会形式ではなく、県主導で民間活力を導入してやるもの、市町村が独自でやるもの、協力してやるものと伊豆全域で、またそれを今までのような点ではなく線で結び、伊豆全体の連携を図り、魅力を高めることで、国内外から多くの方々に訪れていただこうと考えています。
大坪 いま、伊豆全体の連携というお話がありましたが、それをどう実現していくかが大きな問題であると思います。よく地方に行くと「このイベントは行政から言われたからやっている」といった声を耳にすることがあります。推進役の県としてこの点についてはいかがでしょうか。
清水 県では全国に先駆けて「ゆめ未来局」という組織をつくりました。行政の枠にとらわれずに動けるような体制づくりも行っています。新世紀創造祭を進めるにあたり、市町村それぞれが基盤づくりをしますが、そこへ観光協会や商工会議所、商工会、また街づくりに熱心な地域の方々も参加して知恵を出していただく。最近、若手を中心としたグループが育っています。彼らの斬新なアイデアを行政が吸収して、新世紀創造祭に積極的に反映させたい。とかく行政が進めると堅くなりがちですから、そういったアイデアを取り入れることによって新しい観光システムができ、伊豆地域の連携も強まっていくものと思います。



地域連合、広域行政は時代の要請。
積極的な支援体制づくりを進めていく
大坪 ところでこの連携については、例えば静岡、清水の合併校相違など、いわゆるより広義の意味での連携、連合といったものが関心を集めているように思われますが。
清水 ええ、最近では県の若手のワーキンググループが東部地域の広域連合について一年間検討しその成果を発表した例などもあります。サンフロント21懇話会が進めている東部広域連合構想にも非常に高い関心があります。県のグループでは沼津、三島、清水、長泉、伊豆長岡、函南の二市四町の連携を東部地域中核市構想として描きました。現状の市町村の枠組みにとらわれずに、ある目的にもっとも有効な形態を探ることや、どう方向づけしていくのかといったことに具体的に取り組み始めています。
大坪 大きな政令指定都市の誕生は、一方で県の形骸化にもつながりかねないという指摘もありますが、先進的なお考えの石川知事は以前から合併に対して前向きな発言をされています。今後もこの広域行政の具体化に取り組んでいかれるのでしょうか。
清水 今年度から分権推進担当理事を総務部に、分権広域スタッフを市町村課に配置し、地方分権、広域行政や市町村合併に総合的に取り組んでいます。東部は既に、県議や、各市町村の首長らが参加するサンフロント21懇話会が中心となって地域連合に向けた話し合いが進められていますので、県としてはこういった活動を積極的に支援していく方向でいます。広域化は時代の要請でもありますから、今後もぜひ積極的に活動していただきたいと思います。
大坪 実はこの静岡県東部は近代史の発祥の地なんですね。いろんな意味での新しい歴史、新しい時代の始まりが再びここから誕生するようにぜひ祈りたいですね。


清水強(しみず つよし)静岡県東部県行政センター所長
企画調整部空港建設推進局長、静岡県立大学事務局長を経て昨年8月より東部県行政センター所長に就任。趣味はスポーツ全般。静岡市出身。

大坪檀(おおつぼ まゆみ)さん
静岡産業大学国際情報学部教授。 サンフロント21懇話会アドバイザー。

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