サンフロント21懇話会 静岡県東部地域の活性化を考える
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 ことしは1999年。1000年紀から2000年紀への橋渡しの年となります。
東部地域では、伊豆新世紀創造祭の直前の年として各地でプレイベントが始まっています。
「風は東からPART2」では8回にわたり伊豆新世紀創造祭を特集し、各地で行われるイベントをはじめ伊豆でしか体験できない、手に入らない、味わえないモノやコトを広く紹介していきます。
 特集第1回では伊豆新世紀創造祭の全容に迫ります。

ポーズ!イズノスケ 「チェンジ伊豆2000!伊豆ワカガエル大作戦」をキャッチフレーズに、伊豆の観光”復権“を賭ける伊豆新世紀創造祭がことしの大晦日にスタートする。このイベントは伊豆地域二十二市町村が「全国一の観光リゾート地」を目指し取り組んでいるビッグプロジェクト。今回は準備に全力投球中の伊豆新世紀創造祭全体実行委員会会長大木俊一さんに、伊豆がどのように”ワカガエル“のかうかがった。聞き手はSBS静岡放送鈴木通代アナウンサー。
風は東から
●伊豆新世紀創造祭シリーズ…1
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伊豆新世紀創造祭って何!? 伊豆ワカガエル大作戦開始

大木俊一(おおき しゅんいち)伊豆急行(株)取締役相談役
大木俊一(おおき しゅんいち)伊豆急行(株)取締役相談役
昭和28年東京急行電鉄(株)入社。東急不動産(株)常務、伊豆観光開発(株)社長を経て、62年伊豆急行(株)社長に就任。平成10年より現職。伊豆新世紀創造祭全体実行委員会会長。
何が変わる?何かが変わる2000年。
伊豆新世紀がはじまる
鈴木 なにやら最近、伊豆地域がにぎやかですね。駅のポスターや新聞、テレビ等でマスコットキャラクター・カエルのイズノスケを見かけた方も多いと思います。
大木 西暦2000年に伊豆地域の市町村が中心となって年間を通じて伊豆各地でイベントを繰り広げます。熱海、東京同時開催のオープニングや、夏休みのサマーフェスティバルなどの全域イベント、七つのルートに沿って、市町村が手を携えて行う回廊イベント、各地の特徴を生かした市町村イベントなど、とにかく盛りだくさんです。
鈴木 なぜ今、伊豆はチェンジしなければならないのでしょう。
大木 時代や観光ニーズの変化で、一時に比べ伊豆の観光は落ち込んでしまった。このままではいけない、多くの方々に愛され続けるため、地域一丸で新しい伊豆に脱皮する必要が出てきたんです。温泉がある、おいしい食べ物があるだけではだめで、新しい魅力が求められている。では何か。日ごろ見慣れた物事にも歴史的な価値や文学的意味がある。地域はそれぞれ自慢の場所や人や文化を持っています。それらを掘り起こして付加価値をつけ新しい魅力にしていく。さらに、個々のお客様に対応した宿泊サービスや、高齢者、障害者の方に快適なバリアフリーシステムといった新観光システムの実験・試行もしていきます。これらがうまく機能すれば21世紀の観光地の教科書となると思います。





五感で味わうまるごとの伊豆。
来る人の感性がモノを言う、楽しみ方はあなた次第
イズノスケと富士山
 
鈴木 今でも伊豆は日本を代表する観光地ですね。マスメディアでもよく取り上げられています。
大木 ええ、確かに旅行雑誌やテレビ番組でよく目にします。思わず見とれてしまうような豪華な料理やきれいな景色が映し出されている。でも、テレビや雑誌、インターネットの情報では、匂いや味、さわった感覚などは決して伝わってきません。磯の香なんて海に行かないと分からないでしょう?いくらきれいな熱帯魚が画面に映し出されても、実際、海に潜って、シュノーケルのぼこぼこいう音を聞きながら見るのとでは感じるものが違う。本当の感動は、やはり本物でしか味わえないんです。
鈴木 少し水が冷たくても潜ってみる、ごつごつ痛いけど岩に登ってみる。人間の五感に訴えかける伊豆の魅力をもっと引き出していこうということですね。
大木 南伊豆町の妻良や子浦にある民宿では何年も前から岐阜県の小中学生の修学旅行を受け入れています。子供たちは定置網を揚げ、獲れた魚を自分で開いて干物を作る。そんな体験をした小中学生が、大人になって家族と一緒にまたやってくる。変わらない自然と人々の温かいもてなし。伊豆にはそういうところがたくさんあるんです。
鈴木 交通システムや宿泊システムがより良く使いやすく変わっていく一方で、伝統や人情といった昔から受け継がれているものもきちんと守られていく。
大木 そういう部分をもっと大勢の皆さんに見てもらいたい。知られざる一面、意外な横顔です。例えば天城山の標高二百〜三百メートル付近では極めてまれに「凍雨」と呼ばれる冷たい雨が降ります。無風で、気温が零度からマイナス一、二度の時だけ降るこの雨は、電線や杉の木に帯状に凍りつき、時に杉の大木をバリバリと折ってしまう。伊豆の山だから暖かいかというと大違いで、そんな厳しい自然もあるんですね。地域の日常が、大勢の人のフィルターを通して新しい価値観を生み、人を感動させる。ただ、それも目で見たり、耳で聞くだけでは味わえない。残りの味覚、嗅覚、触覚も”総動員“して楽しんでほしい。イベントの狙いもそこにあります。伊豆の魅力は一つではなく、訪れる人の感性次第で様々なフィールドが広がっていくんです。
鈴木 知らない伊豆を発見してもらう、からだごと感じてもらう。新しい伊豆の旅を提供しようと今、伊豆全体が燃えているんですね。
大木 伊豆新世紀創造祭でたくさんのイベントが、新しい試みが、多くの人々によって創られ、体験され、評価されていきます。その中には必ず伊豆の財産として残っていく優れたものがあるはずです。伊豆の真価が本当に問われるのは、21世紀を迎えてからなのかもしれません。



温泉 イズノスケ
 
「快適空間しずおか」の出発点に
マスコットキャラクターはイズノスケ
 伊豆新世紀創造祭のマスコットキャラクターはカエルの「イズノスケ」。「だんご3兄弟」でお馴染みの戸田村出身佐藤雅彦氏が生みの親です。

2000年の伊豆は、 いつ来てもイベント がいっぱい
 ことし十二月三十一日から一年間、伊豆全域で約二百本のイベントが繰り広げられます。七つの回廊は、伊豆の旅の新しい物語。「温泉」「食」「スポーツ」「文化・体験」をテーマに四季折々の伊豆の魅力をぎっしり詰め込んだ個性派イベントたちが旅の楽しさを広げます。
(予定イベントの一例)
● 熱海市・東京同時開催/「オープニングフェスティバル」(1月15日・16日)
● 伊東市「サマーフェスティバル」(7月21日〜23日)
● 伊豆長岡町「健康と温泉FORUM2000」(2月24日〜26日)
● 天城湯ヶ島町「世界温泉ミュージアム&メッセ」(2月24日〜27日)
● 首都圏「伊豆の食材料理教室」(2月中旬〜3月末・10月中旬〜11月末)
● 伊豆半島全域「伊豆・満喫キャンペーン」(2月中旬〜3月末・10月中旬〜11月末)

全国一の観光・リゾ ート地を目指します
 伊豆新世紀創造祭が目指すのは「日本一の観光・リゾート地づくり」。イベントの魅力に加え、観光地、宿泊施設のバリアフリーや、多様な宿泊形態への対応など、新しい時代にふさわしい新観光システムづくりにも取り組みます。
 もっと多くの人に愛されるように―伊豆新世紀創造祭、進行中です。


土屋紀雄(つちや のりお)土屋建設社長/サンフロント21懇話会運営委員

 こんなに美しい海と山に囲まれた街、南国の伊豆になぜ観光客が減少したのか原点に戻って考えてみる。ある人は宿泊料、交通費が高いと言い、ある人は市や観光協会の行政が悪いと言う。また、旅館・商店の連携が悪いと言うが、私はそうは思わない。
 誰かがやってくれるだろうと人任せにしていれば、今後何年たってもこの状態はかわらない。
 外部から街の核になるものを誘致し、観光客の流れが出来、地元商店が訪れる人々を満足させる街作りを目指したり、地元の施設との共用共存を図ることで十年〜十五年かけて育てていく観光を目指すことが大切である。
 私もその一員に加わり、人が集まる本当に良い街を創っていきたいと思う。

土屋紀雄(つちや のりお)土屋建設社長
土屋紀雄(つちや のりお)土屋建設社長
間野茂木(まの しげき) ホテルアクーユ三四郎社長/サンフロント21懇話会運営委員

 伊豆半島、特に西海岸は交通アクセスの不便さ、主要都市からの遠隔性等デメリットを強く感じる人が多いと思われる。しかし裏を返せば、豊かな自然が残っていることであり、この自然を観光振興面でのメリットとして強く打ち出していくことが大切だ。
 今月は西天城高原で「第五十回全国植樹祭」が行われる。エコロジーやリサイクルが社会的関心事となっている中、この美しい郷土での自然環境保護の集大成といえるビッグイベントになるだろう。
 また来年の伊豆新世紀創造祭では、この西海岸が「花と緑と夕陽の街道」として整備され、地域行政と住民の接点を増やし、未来における美しいまちづくりを目指す大きな転機になることを期待する。

間野茂木(まの しげき) ホテルアクーユ三四郎社長
間野茂木(まの しげき) ホテルアクーユ三四郎社長
内田一仁 (うちだ かずひと)堂ヶ島洋らんセンター代表理事/サンフロント21懇話会運営委員

今まで、伊豆の観光は「海と山と温泉を中心とした、美しく温暖な自然と、そこで営まれる住民の素朴な生活と文化」だった。しかし、今求められているのはあるがままの自然ではなく、伊豆の魅力を質とボリュームで圧倒的に、強烈に感じさせてくれる光景と演出ではないだろうか。それは自然発生的に生まれることは決してない。意図して計画的に、忍耐強く創っていかなければ生まれてこない。
 西伊豆には素晴らしい夕陽を見られる海岸線と自然豊かな山がある。それを各町村が共通の観光資源として育てようという共通認識を持ち、具体的な行動計画の作成と、その迅速な実施が急務だろう。みんなで時間をかけて育てていけば素晴らしい地域になると確信している。

内田一仁 (うちだ かずひと)堂ヶ島洋らんセンター代表理事
内田一仁 (うちだ かずひと)堂ヶ島洋らんセンター代表理事

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