サンフロント21懇話会 静岡県東部地域の活性化を考える
トップ 最新情報 政策提言 活動内容 サンフロント21懇話会とは 飛躍 風は東から

ポーズ!イズノスケ伊豆の文化を知ろう。
  文学・歴史の舞台を訪ねて

風は東から
●伊豆新世紀創造祭シリーズ…2
バックナンバー


湯けむりの向こうにかすむ踊りこの 笑顔にクラリ伊豆の旅かな

大木俊一(おおき しゅんいち)伊豆急行(株)取締役相談役
大木俊一(おおき しゅんいち)伊豆急行(株)取締役相談役
昭和28年東京急行電鉄(株)入社。東急不動産(株)常務、伊豆観光開発(株)社長を経て、62年伊豆急行(株)社長に就任。平成10年より現職。伊豆新世紀創造祭全体実行委員会会長。
歴史とロマンに彩られたまち、修善寺。
訪れる人の心にしみいる癒しの風情
 「修禅寺物語」をご存じですか。明治四十一年、遅がけの夏休みを修善寺の新井旅館で過ごした脚本家・岡本綺堂が、修禅寺に納められている源頼家と伝わる面にヒントを得て創作した新歌舞伎だ。歌舞伎の伝統技法に近代的作法をミックスしたこの作品は空前のヒットとなり、遠く海を渡りパリ公演も行われたほど。
 千二百年前、弘法大師が開基した修禅寺の門前町にはじまり、源氏興亡の舞台となった修善寺。明治後期から昭和初期にかけては尾崎紅葉、夏目漱石ら多くの文人墨客を惹きつけた。来年の伊豆新世紀創造祭ではそんな修善寺の文化・歴史にたっぷりひたれる。
 「修善寺歴史絵巻」と銘打ち、町の随所で様々な催しを繰り広げる。全く新しい手法をもちいた「修禅寺物語」の再演。大正から昭和三十年代まであった芝居小屋「桂座」の復興。一人語り、和洋楽器の演奏、ダンスソロ、パントマイムなど、第一線で活躍するアーチストが修善寺をテーマに夏の夜を演出する。それは千年にわたり培われてきた「修善寺らしさ」とアーチストの感性がぶつかり合った新しい文化の誕生の瞬間。
 その舞台となる町の景観も来年に向け整備が進む。中央を流れる桂川に沿った「竹林の小径」をはじめ、温泉街が「ノスタルジックロマン」というテーマで整備され、町全体がムードに包まれていく。
 「ここに求められているのは癒し。刺激の強い人工的な演出ではなく、来るだけで癒されるような自然な『しつらい』(仕掛け)が町のあちこちに見受けられる。古いたたずまい、角を曲がる度に出会える懐かしさ、だけど新しい感動。それが修善寺ならではの「そぞろ歩き」の快楽、醍醐味なんです」と修善寺イベント実行委員長野田治久さん。
 本番に先駆けことし七月一日には、能楽師・一噌幸弘、コントラバス奏者・吉野弘志による即興の合同演奏会を修禅寺本堂で開く。幽玄な空間に紡ぎだされる音色は、千二百年の時の流れと絡み合い、溶け合い、無数の音のつぶてとなって修善寺の闇に広がっていく。
 街中に残る幾多の「修善寺伝説」。新たな一ページが刻まれる瞬間は近い。


伊豆の宝もの発見!!
「下田ペリーロード」
イズノスケと富士山
 
開国の地、下田。古くから風待ちの港として、また近代日本の門戸を開いた場所として有名だ。ペリーロードはそんな歴史を色濃く残す注目のスポット。ペリー上陸の地より下田条約を締結した了仙寺に続く大正から昭和初期にかけての家並みに、今ではおしゃれな雑貨屋や骨董店などが軒を連ねている。



温泉 イズノスケ
 
「伊豆の踊子」のルーツを探る
川端康成生誕百年祭
 伊豆を愛した文学者は数知れないが、ノーベル賞作家川端康成と伊豆の絆は極めて深い。今年は川端康成生誕百年。「伊豆の踊子」の舞台となった天城湯ヶ島町、河津町などが中心となって様々な記念イベントを展開している。
 十三日には天城温泉会館で「川端康成生誕百年祭」のオープニングセレモニーを行い、川端文学研究会による「伊豆の踊子」シンポジウムを開いた。
 川端康成は早くに両親を失い、十六歳まで祖父の面倒をみていた。祖父亡き後、天涯孤独となり一高に入学するが、カフェの女給チヨに失恋し傷心の旅に出る。それを癒したのが伊豆の温泉と、そこに生きる人々の心の豊かさだった。
 「川端にとって湯ヶ島は第二の故郷。伊豆の人々との交流が頑なだった彼の心をほぐした。彼はここで囲碁や鮎釣りなどを覚えたんですよ」百年祭実行委員の宇田治由さんは、癒しの場所としての不思議な魅力を語る。
 川端ゆかりの画家の「伊豆の踊子を描く」絵画特別展や「伊豆の踊子」感想画・メッセージコンクールは今後も続き、秋にはことしで三回目となる「伊豆の踊子ツーデーマーチ」なども予定されている。また、天城路の数カ所でコンサートをし、参加者には歩きながら聞ける「”天城“森のコンサート」の計画もある。
 川端以外にも梶井基次郎、井上靖をはじめ多くの文人を惹きつけた伊豆。このイベントを通じて伊豆がなぜこんなにも近代文学と深く関わりあったかをもう一度考え直すきっかけにしてみたい。


相原浩人(あいはら ひろと)ティアスコ社長/サンフロント21懇話会会員

 修善寺は弘法大師による独鈷の湯の発見以来、十二世紀を越えて修善寺を中心に培われた歴史遺産や、明治の文明開化以降に育まれた文学や絵画などの文化資産の再発見と再構築を目的とする、修善寺ノスタルジック体験を始め五本の回廊イベントを計画している。
 チェンジ伊豆2000!では、観光が航空機による交通体系とインターネットによる情報システムの急速なグローバル化にともない全世界的な視野で競争と選択がなされる新世紀を迎え、個々の観光地が地域独自の資産を生かしつつ魅力溢れるアイデンティティーを持ちながら、如何にして伊豆という観光運命共同体を有機的に創造できるかが、このイベントが果たすべき大きな役割と考えられる。

相原浩人(あいはら ひろと)ティアスコ社長
相原浩人(あいはら ひろと)ティアスコ社長
内田隆久(うちだ たかひさ) 伊豆洋らんパーク社長/サンフロント21懇話会運営委員

 「チェンジ伊豆2000!」で伊豆がどのように変わるのでしょうか。2001年の1月2日にはすべての結果はわからないかも知れません。2002年になれば単発に終わってしまったものは分かります。2003年に反省会を開いて成功したものと失敗したものが区別できて、その理由も分かります。対策を検討して新たな計画を準備すると2004年になります。2005年に「チェンジ伊豆2005!」ができれば伊豆が本当に変わるような気がしています。まだ、事業が実施される前にこのような事を言うのは少し変ですが、その時本当の意味での「住民参加と新しいシステムづくり」を実現できる可能性が高くなります。まちづくりには多くの時間と情熱が必要です。

内田隆久(うちだ たかひさ) 伊豆洋らんパーク社長
内田隆久(うちだ たかひさ) 伊豆洋らんパーク社長
伊藤春秀(いとう はるひで)淨蓮の滝協業組合代表理事/サンフロント21懇話会会員

 昔から伊豆は「湯の国」と言われ、豊富な出湯はここに暮らす人々の生活の一部となっています。また、「海の国」「山の国」とも称えられるように、美しい海は豊かな幸をもたらし、奥深い森は貴重な恵みを与えてくれます。そんな伊豆に多くの旅人が訪れ交錯し、文学が育まれ歴史が刻まれて来ました。
 「伊豆新世紀創造祭」、それはこの地域本来の素晴らしさをもう一度見直すことそのものなのです。この祭典が今世紀最大のルネサンスとなり、伊豆を訪れる人々が心から癒されることを期待しています。伊豆二十二市町村がそれぞれの枠を越え、21世紀には世界有数の観光地となるよう、目的達成のために住民一丸となって邁進されることを念願しています。

伊藤春秀(いとう はるひで)淨蓮の滝協業組合代表理事
伊藤春秀(いとう はるひで)淨蓮の滝協業組合代表理事

■企画・制作/静岡新聞社営業局

▲ページトップ
入会案内お問い合わせ事務局案内リンク Copyright(c) SUNFRONT21.ALL RIGHTS RESERVED.