サンフロント21懇話会 静岡県東部地域の活性化を考える
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ポーズ!イズノスケ高齢者や車椅子の人も。
  楽しめる快適な伊豆に

風は東から
●伊豆新世紀創造祭シリーズ…4
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もてなしの心がいっぱいつまってる 伊豆の旅路で出会う笑顔に イズノスケ

バリアフリー体験
バリアフリー体験 ■たった2センチの段差が大きな障害。まず気づくことがバリアフリーの第一歩

研究会が発行するバリアフリーのステッカー
研究会が発行するバリアフリーのステッカー。新しい伊豆のおもてなしのシンボルだ
バリアフリーは二つのやさしさ。
「FOR ALL」の心で伊豆に2000のおもてなしを
  バリアフリー伊豆研究会
 来年の本番に向け、伊豆全 域で準備が進む伊豆新世紀創造祭。伊豆の魅力にあふれたイベントの数々。一年中どこにいっても楽しめるはず。大晦日のオープニングが今から待ち遠しい。
 ちょっと待って。「すべての人が楽しめるっていうけど、高齢者や車いすの人でも大丈夫かな」。確かに、高齢者や車いすの人などがいつどこにいっても、何の支障もなく楽しく過ごせる環境が整ってこそ”本物“の観光地だろう。伊豆新世紀創造祭ではこんな観光地の実現を目指してバリアフリー化に積極的に取り組む。
 中心となっているのが、バリアフリー伊豆研究会。環境プランナーの戸谷恵子さんを会長に中伊豆JCのメンバーが中心となって、旅館・観光業者、主婦、自営業者など約六十人が「伊豆2000変える大作戦」(2000のバリアフリーを実現する作戦)を実践中だ。戸谷さんは「FOR ALL。すべての人々のために、です。高齢者や障害を持つ人に心地よいことは、一般の人にも心地よいはず。おもてなし、とか手を差し伸べるといった心の『優しさ』ももちろん必要ですが、いくら心があっても階段を上がるたびに人の手で車いすを運ぶのには限界がある。だから階段の一部をスロープにするなどの『物理的な易しさ』も必要になってくる。この二つの『やさしさ』を満たすことがバリアフリーなんです」と話す。
 すでに三回目を迎えた研修会「ハーティー&ダイアローグプロジェクト」では伊豆全域から集まった参加者がアイマスクや耳栓をつけたり、車いすに乗って街に出る。そこで「まだまだすいすい歩けない」現実に気づく。食事もその状態のままでとる。店員の対応や町の人の反応も重要なチェックポイントだ。終了後、普段何事もなく歩いている歩道や公共施設がほんの少しの負荷で大きなバリアとなることが次々に発表された。同時に一般の人の嬉しい心遣いも。この活動を目にした人たちが関心をもってくれる事もこの研修の大きな狙いだ。
 創造祭で行われるイベントに対してもバリアフリーの視点からさまざまな提言をする。
 「できればすべてのイベントが家族で楽しめるものにしたい。おばあちゃんは参加できませんというのではなく、おばあちゃんもここで観覧できますよ、といった配慮がどこまでできるかだと思う。土日のイベントに公民館のロビーや役場のトイレを開放するだけで、小さい子供を連れたお母さんも安心して参加できる。要はアイデアとやる気」と戸谷さん。
 千の旅館で一つずつ工夫し、 百のイベントで十カ所ずつ便利になれば二千のバリアフリーが伊豆に誕生する。それはとりもなおさず、二千のおもてなし。単に客数を誇る時代からどんなお客様にどれだけ来ていただけたかを競う時代になってきた。伊豆新世紀創造祭を契機に二十一世紀の新しい観光地づくりに伊豆は確実に前進している。
●お問合せ バリアフリー伊豆研究会事務局 TEL:0558-76-3355(伊豆洋らんパーク内)


伊豆の宝もの発見!!
「沼津・我入道の渡し」
沼津・我入道の渡し
沼津・我入道の渡し。
 明治から昭和に、庶民の足として活躍した「我入道の渡し」。港大橋の開通で役目を終えるが、平成九年、新しい観光名所として復活。緩やかな狩野川の流れを渡し船はのんびりと横切っていく。日常のせわしなさを忘れさせる二百メートルの川の旅。対岸の船頭さんに黄色い旗を振ると迎えに来てくれる。土・日、祝日の運行。料金百円。
●お問合せ 沼津観光協会 TEL:0559-34-3115



「へらへら餅」
女将たちの熱意が生んだ「へらへら餅」。商品化された今も一つひとつが手作り

女将の会は約20人
女将の会は約20人。旅館を切り盛りするかたわら、地域活動にも全力を注ぐ
女将たちの熱意が生んだ「へらへら餅」。
商品化された今も一つひとつが手作り
 伊豆急熱川駅から車でほんの五分ほど山間にある東伊豆町奈良本。この辺りの農家では今も農作業の合間に「さてと、おようじゃ(一服しましょう)」という声とともにへらへら餅がふるまわれる。小麦粉に自然薯を混ぜ、甘いゴマだれをかけていただく。とろけるようでコシがある。次々と手が伸びてしまうおいしさだ。
 地域の魅力を自分たちで創り出そうと、数年前から精力的に活動しているのが熱川温泉女将の会。この「へらへら餅」も古くからこの地に伝わる食文化を知ってもらいたい、と一年前商品化に踏み切った。ひときわ目を引く山吹色のパッケージは、熱川温泉ゆかりの太田道灌にちなむ古歌「七重八重花は咲けども山吹の…」に着想した熱川のテーマカラー。祭りの日には女将の会のメンバーが揃いの山吹色の着物で華を添える。
 さらに、湯の華を観光客が自分で採取し持ち帰ってもらう「湯の華お掃除体験」、地元で採れたハーブを詰めたカエルのお守りなど、次から次へと湧いて出るアイデアは熱川の温泉さながら。七月には奈良本の休耕田を利用したひまわり畑でコンサートも行った。「住んでいて楽しい町、自分たちが誇れる町にするにはどうすればいいか。それには熱川と奈良本が一体となり、住民一人ひとりの意識を変える必要がある。まずは町を何とかしたいと思っている人を募ってお花畑を作ったんです。整地から種まき、草取りまで全てボランティア。町の人が鎌の使い方を農家の人に教わったり、小さな子がお年寄りに草の名前を尋ねたりといった思わぬ交流も生まれました。このコンサートはそんな皆さんに対するお礼」と女将の会の木村友栄さん。子供たちに胸を張って手渡すことのできる町にしたいと抱負を語る。
 女将たちの情熱は創造祭という機会を得てさらに大きな花を咲かせそうだ。最近は温泉文化研究会と連携し、熱川ならではの温泉情緒や食文化など隠れた素材を新しい観光プランとしてまとめ、売りだそうとしている。
 「もう一度会いたい」と思わせる熱川の女将たち。観光の原点はそんな人々の思いの強さなのかもしれない。
●お問合せ 熱川温泉旅館組合 TEL:0557-23-0174


加藤昌利さん ホテル銀水荘代表取締役副社長/サンフロント21懇話会会員
 伊豆新世紀創造祭開催まで余すところ約五ヶ月となりました。実行計画発表から今日まで、官民一体となり新しい時代の伊豆作りが動き出したことを実感しています。
 各地域が文化や伝統の掘り起こしなど観光素材の発掘を行い、それらをより広域的に連携・複合化させ魅力的な商品にする事が大切であると思います。また、各地域をホスピタリティ豊かな新しい時代の観光システムによって、より効果的に結びつける事も重要であろうと考えます。
 いずれにしましても、現代人を取り巻く時の流れは、異常に速く感じられるようになりました。そんな時代、一歩足を踏み入れればゆったりとした時の流れにその身を委ねられる…。そんな「伊豆」を目指したいものだと思っています。

加藤昌利さん 
加藤昌利さん ホテル銀水荘代表取締役副社長/サンフロント21懇話会会員
北岡貴人さん 暖香園代表取締役社長/サンフロント21懇話会幹事

 伊豆には十分な魅力がありながら、その活用については検討すべきことが多くあります。例えば自動車のナンバーを現在の「沼津」から「伊豆」にするだけでかなりのPR効果が期待できます。
 また、観光地でありながら規制が厳しくないため、看板や建物の色が乱雑なイメージとなり、商業地へと変わりつつあるように思われます。物価も高く、生活費が嵩むため、労働賃金が高くなり、結果として宿泊料や飲食代、土産代を高くしています。
 交通渋滞についてもバス、電車での旅行が自動車よりも安価で早ければ、通過する車も少なくなり、渋滞も解消すると思います。
 即効性のあるイベントも大切ですが、息の長い観光地としての下地づくりも肝要です。

北岡貴人さん
北岡貴人さん 暖香園代表取締役社長/サンフロント21懇話会幹事

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