サンフロント21懇話会 静岡県東部地域の活性化を考える
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ポーズ!イズノスケ伊豆はおいしい。
「名物にうまいものあり」の伊豆を探検


 旅の楽しみはおいしいものとの出会い。あの時出会ったあの味にもう一度会いたくて、人は旅をするのかも…。
 伊豆はおいしいものがいっぱい。この秋おすすめの伊豆の味覚をご紹介します。
風は東から
●伊豆新世紀創造祭シリーズ…5
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思い切り遊んだ後のお楽しみ お膳で踊る伊勢エビのひげ

伊勢海老入りの豪快料理「将軍鍋」
獲れたての海の恵みを丸ごと鍋にほうり込む。伊勢エビの身は甘く、プリンとした歯ごたえが楽しい (南伊豆町子浦波勝路旅館にて)
丸ごと伊勢エビにサザエ、アワビ。
将軍様も大満足の豪快鍋料理 南伊豆町「将軍鍋」
 ぐつぐつと煮え立つ音を合図に蓋を開けると、そこには真っ赤にゆだった伊勢エビやこぶし大の玉サザエ、アワビ、ムツ、イサキ。広がる湯気に良質な味噌の香り。味噌と磯の香が交じり、思わずハシの手が伸びる。
 江戸時代、将軍徳川家茂に献上したことから伝わった「将軍鍋」は南伊豆町の自慢の一つ。百四十年経った今でも子浦の旅館や民宿で味わえる。西林寺住職の土屋光明さんに由来についてうかがった。
 「文久四年(一八六四)正月二日、上京のため海路大阪へ向かう家茂公一行は、強い西風を避けて子浦に入港されました。お供の軍艦は十三隻。正月気分に浮かれていた子浦の人々は何事が起こったのかと、はじめは鎧戸を閉め、じっと様子をうかがったそうです。それが家茂公とわかると今度は上へ下への大騒ぎ。早速歓迎の準備を始めますが、突然のことで用意ができない。そこで若者衆が赤いふんどしをキリリと締め厳寒の海に入り地引き網を引いた。その時に獲れた伊勢エビや豊富な魚介類を味噌仕立ての大釜で献上したのが将軍鍋の始まりです」。若者衆の心意気に感激した家茂公は褒美を与えたという。
 伊勢エビ漁で県内一の水揚げを誇る南伊豆町では毎年、九月半ばから伊勢エビ祭りを開催している。各旅館、民宿が豪華な伊勢エビ料理を納得のいく値段で提供する。将軍鍋は十月頃から子浦地区のみの限定料理だ。
 西伊豆町では毎年、十月一日と二日に、堂ヶ島公園で開く伊勢エビ祭りの会場で千人分の伊勢エビの味噌汁を無料サービスしている。民宿のプロが作る味噌汁は絶品。千人分が午前中でなくなる盛況ぶりだ。他にも伊豆各地で伊勢エビ祭りが開催される。期間、料金などのお問い合わせは各観光協会へ。


コクとうまみは天下一品。
愛鷹山麓の大自然と人々の愛情が育む日本一の美味しさ JA南駿「あしたか牛」
南駿地区の牛
南駿地区は、浜松地区と並ぶ、県内主要肉牛生産地。寒暖の差がなく、温暖な気候がおいしい肉牛を育てる。
 松阪牛、神戸牛など有名な牛肉はいくつかあるが、県東部にも一夜にしてその名を全国に知らしめた牛肉がある。名を「あしたか牛」。並みいるライバルを退け平成九年度全国肉用牛枝肉共励会でいきなり優勝し、注目された。愛鷹(あしたか)山麓の広大な緑地と温暖な気候、豊かな水がコクと旨みに富んだ日本一の肉牛を育む。「脂が程良く乗っていて、肉本来のしっかりした味わいが楽しめます。クセもなく食べやすい」とJA南駿の遠藤正さん。
 以前は南駿(沼津・長泉)地域の肉牛はほとんど東京へ出荷されていた。肉牛は複雑な流通経路をたどるため地元へ供給されなかった。そこで行政、JA南駿、生産者などが連携し平成十年にあしたか牛推進協議会を設立。今では地元の食肉専門店でのみ手に入る。いたずらに販路を拡大するのではなく、生産者の顔が見える、消費者が安心して購入できる販売にも取り組む。地元に愛される商品として着実に育て、松阪や神戸のように地域の食文化に結実させていくのが狙いだ。
 現在は沼津市など県東部の十二店舗が販売、少しずつ販路を拡げている。目印はピンクののぼり。愛鷹山麓でしか味わえない、とびきりの地域限定品。見つけたらすかさず買ってみよう。
●お問い合わせ 南駿農業協同組合あしたか牛推進協議会 TEL:0559-33-7008




樽にぎっしり漬けられる桜葉
桜葉を漬け込む杉樽は、古くは大正時代に作られたもの。「プラスチック製に比べ、やはり木の樽の方が香りがいい」と、小泉さん
●お問い合わせ 松崎町商工観光課 TEL:0558-42-1111
風味の決め手は伊豆の風と水と太陽。
魅力生かして多彩な商品群をラインナップ 松崎町「桜葉の塩漬け」
 桜葉の香りがしみこんだ桜餅の風味は忘れがたい。あの独特の味を引き立てる桜葉はそのほとんどが伊豆産。うち七割がここ松崎町から出荷、日本一の生産量を誇る。塩漬けを行う五月から八月は、町内の生産所から甘い香りがただよう。
 かつては桜餅だけに使用されていた桜葉も今ではクッキーやそば、饅頭やアイスクリームなどにも利用されている。さっぱりとした食感のアイスクリームは長八美術館併設のレストラン「カサ・エストレリータ」の人気メニューだ。
 「元々この一帯は桜炭の生産が盛んでした。その葉を塩漬けにしたのが始まりです。海に面した松崎町特有の気候が良質な桜の葉を育て、あの独特な風味が生まれるんです」と桜葉漬け専門店・小泉商店の小泉邦夫さん。直径二メートル、深さ二メートルの巨大な杉樽に二十万枚の桜葉を漬け込む。形の揃った大きな緑の葉が行儀良く並んでいる光景は圧巻。天然塩と水だけで百五十日漬けた後、全国各地に出荷される。使用するのは大島桜。他の桜ではあの独特の風味は生まれないそうだ。
 あまり知られていない松崎町の隠れた名物。その魅力を生かした多彩な商品は、道の駅「花の三聖苑」など町営観光施設でも楽しむことができる。





  伊豆の宝もの発見!!
 貴僧坊水神社の森の水
沼津・我入道の渡し
貴僧坊水神社
 西日の照りつける車道から一歩足を踏み入れると、苔むした小さな社が見える。貴僧坊水神社。境内には清々しくキリッとした空気が満ちている。足下には一面のワサビ畑。神社の下から湧き出る清流が質の良いワサビを育てる。古くから飲料水として、現在は農業用水として住民に親しまれているこの水は、静岡県名水五十選にも選ばれた。(中伊豆町貴僧坊)


米山 寛さん 万城食品代表取締役/サンフロント21懇話会会員

 もう十年以上も前の話です。亡くなった父の後輩の方から「動物は全て食物を取り生命を維持しているが、食べ物に味をつけて食べるのは人間しかいない、これが食文化だ」というお話を戴き、現在弊社では「時代を味付けする」をキャッチフレーズとしています。
 より文化的な「風味づけ」商品である山葵は伊豆の食文化の象徴です。料亭政治・官官接待・民間の接待等が減少した現在、高級品としての山葵の需要は激減しています。この象徴を守っていくためには発想の転換をしていかなければなりません。業界以外の方からのご意見を戴くことが大切だと思います。多くの方々からアイデアを戴き、「伊豆山葵」のリストラによって伊豆から食文化発展のそよ風を吹かせたいと願っています。

米山 寛さん 
米山 寛さん 万城食品代表取締役/サンフロント21懇話会会員
安田昌代さん 安田家女将/サンフロント21懇話会運営委員

 旅の楽しみの一つは食事。旅装を解いて温泉に入り、ゆったりと味わう旅館、ホテルの食事が思い出に残るものになったらいいな―。そんな気持ちでお出でいただいた方たちに満足していただけるよういつも食事には心を砕いています。ただ、最近「量が多すぎる」といったご意見をいただくことがあり、オプションで「お好きなもの」を「好きなだけ」提供できればいいな、と研究を始めました。ゆくゆくは「泊食分離」、泊まる所と食事をするところが別、といったことになるのでしょうか。そんなことを思いながらこの夏、沼津市内にヘルシー料理の湯葉と豆腐の懐石料理店「花利久」をオープンさせました。おかげさまでお客さまの評判も上々です。この経験の中から本体の旅館経営に生かせるヒントをつかもうと思っているのですが―。

安田昌代さん
安田昌代さん 安田家女将/サンフロント21懇話会運営委員

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