先ほど市長さんもおっしゃっていましたが、沼津が主会場ですから、沼津の方たちにはとにかく地元の力を是非発揮していただきたいんです。これは国際的なことであり、日本国の国のコンセプト自体に関わることでありますので、皆さんの熱意を外に、外にと出していっていただけたらと思います。
多分、沼津というような名前を日本中に、また国際社会に知らしめるとてもいい機会だと思います。ここで沼津の皆さん、あるいは東部地区の皆さんが一丸となって、どういうような企画とか、どういうような表情で、世界から来る人たちを迎えてくださったり、あるいはそことどんなつながりを持ってボランティアで関わってくださるのか、いろいろな関わり方があると思いますが、どんなふうになるのかということをこれから問われると思います。
私、まちづくりみたいなものも時々手伝っていると、自分たちではあまりにも当たり前すぎていいものに気がついていなかったり、昔からいいと思っているものを今の時代の価値観にも通用すると思い込んでいたりするときに、外の人が来たときに意外なことに気付かされるということが、あると思います。
来年はとにかくたくさんの国からたくさんの方たちが、しかも技を持った人たちが、技をもった若い人たちの周辺の関係者が、この町を訪れるわけですから、是非、片言の英語ででも何でも接触をして、自分たちの町が外の鏡に映すとどんなふうに見えるかということを、めったにないチャンスだと思いますので、外と内側を照らし合わせながら新しい沼津の第一歩、あるいは東部地区の第一歩になるという思いで、是非、接していただきたいと思います。
ホスピタリティーって、ただ温かく、おもてなしをすればいいというものでもなくて、やはり駄目なものは駄目と言いながら、あるいはこちら側の流儀に沿ってもらわないといけないものは、丁寧に説明して、この沼津の良さ、静岡の良さ、日本の良さというものを教えていただきたいなと思います。
話が逸れますが、京都迎賓館を見に行きました。最初のお客さんはブッシュさんでした。ものすごく立派な和室があって、そこがブッシュさん夫婦の寝室だったらしいんですが、彼らに対して靴を脱いでくれと言えなくて、ずっとみんな靴で歩いたというんですね。私はそれはちょっと違うんじゃないかと思うんです。沼津には沼津の人たちが譲れないものと、心からもてなしたいというものがきっとあると思います。
沼津といえば、私が12、3歳の頃、あの町に来週行くんだと思っただけで心躍った、沼津というところに、たくさんの人たちが来るということですから、是非、おひとり、おひとりが誰か一人ぐらいは友達を作るぐらいな気持ちになっていただきたいと思います。
それから全国規模の展開になりますので、もちろんこの地元が熱く盛り上がって下さるのは嬉しいんですが、皆さんもご親戚とか昔の同級生とか、友達が全国津々浦々に散らばっていると思いますので、これから年賀状やクリスマスカード、来年の暑中見舞いもありますので、必ずこの町でこういうことがあるんだよと。今こういうふうに着々と準備している。技能五輪ってこういうものなのだよと、是非、知らしめて、皆さんがそういう知らしめる担当になっていただきたいと思います。
マスメディアとマンツーマンの草の根的なコミュニケーションと両輪じゃないと、今、人って動かないんですね。ですから静岡県の沼津市で技能五輪の国際大会が開かれるということをなんかの形でメディアで知ったときに、皆さんが友達に電話を掛けて「今度、こうなんだよ」と言えば、「そういえば何かでいってた」と重なったときに人ってはじめて認知、認識するんです。もっというと、通常これだけ情報基盤が厚い時代になっていますので、見て、聞いて、書いて、それからすごく親しい人にもう一度聞いてと、4回体験しないとなかなか人は動かないといわれています。何を聞いてもすり抜けていってしまう時代は、よほどのことがないと人は動いてくれません。
皆さんの想いが最後のスパイスになって人を動かすことだと思いますので、是非、全国各地のお友達や親戚にも、やるんだということを教えて差し上げて欲しいと思います。
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