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共同通信社 政治部長 梅野 修

共同通信社政治部長 梅野 修
政局4、7月にヤマ場  支持率急落、衆院選に影響も

  「政治に小休止なし」と言う。2008年も波乱含みで推移しそうだ。昨年夏の参院選で与野党が逆転し、国会は法案が簡単に成立しない状況に陥った。政府与党の実績が上がらない。福田康夫首相の指導力も見えにくい。福田内閣の支持率は発足から三カ月で20ポイント以上も急落し、求心力に陰りが見える。支持率低下は衆院選の時期にも影響を及ぼすだろう。
 首相は「実績が上がらず、支持率も下落する」という悪循環を断ち切れるのか。小沢一郎代表が率いる民主党は政権奪取に向けてどう動くのか。衆院選のタイミングを探り合いながら、与野党攻防は一段と過熱するに違いない。衆院選では無党派層の取り込みが勝敗の分かれ目になりそうだ。
 福田内閣の支持率は、安倍前政権と同じような下落傾向を示している。発足当初は小泉、細川、安倍、橋本各内閣に次ぐ歴代五位の57%でスタートしたが、一カ月後には50%、2カ月後は47%に落ち込み、3カ月後の12月には35%に急落した。「下げ足」が早い。支持率低落の要因は、ねじれ国会で福田内閣が目に見える実績を上げられないであえいでいることに加え、「宙に浮いた年金」問題への対応が「公約違反」と批判されていることが影響した。
 今後、支持率が上昇に転じるかどうかがポイントとなる。だが先行きは暗い。野党と「大連立」を組まない限り、ねじれ状態の解消はできず、野党案を丸のみしない限り国会で与党案が素早く成立する状況にない。内政面では内閣の実績は積み上がりにくい。
 当面、首相は08年度予算成立に全力を挙げることになろうが、揮発油税の暫定税率継続などを盛り込んだ予算関連法案の方は難航が予想されている。首相は中国訪問を手始めに外交活動で政権浮揚を目指す構えだが、通年国会のような政治状況では外国訪問も日程確保が容易ではない。こうした内閣の窮状を見透かしたように、民主党などの野党勢力は与党との対決色を一段と強めるだろう。
 しかし民主党も福田内閣の支持率低下と、実績不足にほくそ笑んでばかりはいられない。自民党との「大連立」協議の不発と、小沢代表の辞任騒動で大きな痛手を被った。その傷はまだ癒えてはいない。小沢代表は「今の民主党では選挙に勝てない」と言い切り、自民党と連立政権を組もうとした。これが衆院選でどういう影響を及ぼすか、判然としない。連立を組もうとした相手と、政権選択の選挙である衆院選を戦えるのか、との指摘もある。選挙戦の主張はかなり苦しいだろう。
 ただ利点もある。「衆院選勝利で国会のねじれ解消」と訴えることができるのは野党・民主党の方だ。与党・自民党は、衆院選で勝ってもねじれは解消しない。与党は、衆院選後にねじれを解消する手だてを示しておく必要性が出てくるかもしれない。
 衆院選の結果、過半数を獲得する政党がない場合も想定できる。その場合、第一党になった政党が連立政権づくりの主導権を握るだろう。小沢代表が「三善の策」という「比較第一党の座」は、自民、民主両党とも譲れない一線となる。
 衆院選は、参院選と違って政権側が最も都合のいいタイミングで断行できる。雲行きが悪かったら先送りも可能だ。だから野党の勝負時の判断も重要だ。いつ仕掛けるか。そのタイミングを外さないようにしなければならない。
 政局的なヤマ場はいくつかある、まず予算関連法案の審議が大詰めを迎える3月から4月ごろ。さらに主要国首脳会議(洞爺湖サミット)が開かれる7月前後。それを乗り切れば、福田首相は季節の良い9月ごろに勝負を仕掛ける可能性もある。目の離せない政治状況が続きそうだ。

共同通信社 経済部長 岩永 洋一

共同通信社経済部長 岩永 洋一
景気はしばらく「曇り空」 ね年は繁盛、年後半に回復へ


 
 緩やかな拡大局面が長期にわたって続く日本経済。しかし「そんな実感はない」との声は一向に消えず、最近は米国のサブプライム住宅ローン問題に端を発した金融市場の動揺、原油高、政局不安、地域間や所得の格差問題に代表される社会のひずみが重苦しくのしかかっている。2008年を迎えて明るい景気を見通したいが、実際にはどんよりした曇り空がしばらくは日本経済を覆いそうだ。
 新年の景気を占う前に、現状を簡単におさらいしたい。小泉、安倍両政権の間、日本は構造改革路線を突き進んだ。経済分野にとどまらず、医療や教育分野まで改革の嵐は吹き荒れたが、急激な変化に伴う国民の痛みへの不満が高まり、昨年7月の参院選では与党が惨敗した。その間、景気は02年から輸出が引っ張る形で回復局面に入り、一息ついた企業は徐々に設備投資を増やしていった。ところが景気を支える三本柱のひとつ、個人消費には火がつかないまま、現在に至っている。
 では、新年を展望すると、悲観的な見方をせざるを得ない材料が、いくつか横たわっている。まずはサブプライム問題。本来は米住宅ローンの不良債権問題にすぎないのだが、高度な金融技術を用いて債権が証券化され、世界中の金融機関が購入していたことから、各国・地域の金融市場で大きな混乱が巻き起こった。米国の大手銀行や証券会社は大損失を被り、米景気の減速懸念は強まっている。その余波で日本の株式相場も低迷。やっかいなのは、世界経済が直面したことがない「新種の金融病」であるため、いつ問題が終結するのか、だれも分からないことだ。少なくとも年央まで、場合によっては08年を通して世界経済の足を引っ張るかもしれない。
 二つ目が原油の高騰だ。1年前の原油価格は1バレル=50ドル程度だったが、いまはほぼ2倍の水準。日本でもガソリン、灯油などの値段が上がり、生活を直撃している。背景には産油国が集中する中東の地政学的リスクの存在、原油市場への投機的資金の流入などが挙げられるが、最大の要因は新興国の著しい経済発展だろう。中国の人口は13億人超、インドは11億人超。こうした国が栄えれば、石油需要が増えるのも当然。原油価格は高止まりすると見た方がいい。
 三つ目が不安定な日本の政局である。衆参両院のねじれ現象で、法案はすんなり国会を通らない。しかも、総選挙の足音が近づき、与野党とも中長期的な進路を示すことよりも、目先の票を獲得することに走りがちだ。こうした政局不安が、企業の景況感や投資家心理のマイナス要因となるのは言うまでもない。
 「暗い話ばかりではないか」と思われるかもしれないが、明るい材料もないわけではない。まず、サブプライム問題はたしかに米経済の景気減速懸念を強めているが、日本企業は一昔前と違って輸出が米国一辺倒ではない。中国をはじめとする新興国向けの輸出が対米輸出の落ち込みをある程度は補うだろう。
 昨秋から大幅な落ち込みを見せている日本の住宅着工、特にマンション着工は景気に暗い影を投げかけているが、すべては審査に著しい時間がかかるようになった建築基準法の改正が原因。既に政府は審査時間短縮などの対策に乗り出しており、そう遠くない時期にマンション着工は回復しそうだ。
 日本経団連が賃上げをようやく容認したのも好材料だ。少なくとも賃上げが実施されない限り、個人消費は上向かない。
 昨年末に決まった08年度予算案も、年後半には地方経済に効いてくるだろう。ばらまき予算であるかどうかは棚上げするとして、地域重視へかじを切った福田政権の予算案は地方への配分を増やしている。一時的かもしれないが、じわじわと地域経済に好影響を与えると考えていい。
 ところで「ねずみ年は繁盛する」との格言がある。非科学的だが、子年(ねどし)は株式相場が大幅に上昇することが多い。前向きな気持ちを保つためにも、この格言を信じるのもいいのではないか。総合的に判断すると、08年の前半は景気の減速感が続き、よくて横ばいであろう。しかし、年後半は再び回復への歩みを見せ始めると期待したい。
 最後に消費税の行方を大胆、かつ独断的に予測したい。09年初めに招集される通常国会に消費税率引き上げ法案は提出され、同年10月から税率が上がるのではないか。税率は2%上乗せされ、7%になると個人的には見ている。
       



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