日本のマスコミで中国について取り上げない日はないぐらい、今、中国の存在は大きくなっています。しかし、中国についての見方がまちまちです。それは中国という国は日本人の一般常識を超えるものがあるためだと指摘しておきたいと思います。
まず、中国を理解する上で中国の大きさということを常に見ておく必要があると思います。人口は13億人以上で日本の11倍。国土面積が960万平方キロメートルで日本の26倍。都道府県に相当する中国の省という行政圏がありますが、5つぐらいの省の人口が8000万人を超えます。5000万人を超えるところが10いくつかあります。ヨーロッパではみんな立派な国になれる規模です。
そして56の民族があります。各民族が入り乱れて住んでいますので単純にある民族をなぜ独立させないのかというような形で解決できるような問題ではありません。全世界に大まかにまとめて2500以上の民族がいますが、国連加盟国数は192です。民族をすべて独立させて問題を解決することはできません。かといって多民族国家としてどのように共存していくかも極めて困難だと思います。
もう一つ、大きさに対して紹介しておきたい中国の特徴があります。中国の沿海部と内陸部との格差という話が出ますが、厳密に言えばそれは中国の沿海部と中部地域との格差です。
この大きな中国を黒竜江省から斜めに雲南省までほぼ45度で一本の線を引くと内陸部の面積は55%、沿海部の面積は45%です。中国の人口の95%が沿海部におり、55%の面積のある内陸部の人口は5%しかありません。中国の格差などの問題は上海などの沿海部と四川省、貴州省あたりまでの地域の格差を是正できるかどうかです。
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