シナリオのメーンタイトルは「恐慌芝居の次のステージ」としたいと思います。サブタイトルは「1つの内憂、3つの外患」です。1つの内憂とは何か。3つの外患とは何かという事で話を進めていきたいと思います。
2008年9月のリーマン・ショック直後は1929年の金融大恐慌と同じような状況になっていくのではないかと盛んに言われました。そういう最悪の事態は回避され、恐慌というお芝居は終わったと考えるべきではないかという方も少なくないと思います。しかしながら「そうは問屋が卸さない」ということを申し上げておきたいと思います。
1929年、ニューヨークで株価が大暴落して金融恐慌だと大騒ぎになったわけですが、あの当時も本当に深刻な事態が顕在化してきたのは、むしろ1930年代に入ってからです。そういう歴史の教訓からもこの段階で恐慌という言葉は過去のものになったと考えてしまうのは楽観に過ぎると考えています。
まず、1つの内憂とは何か。それは即ち「新型デフレ」と名付けるべきものです。新しいタイプのデフレです。新型インフルエンザよりはるかに毒性と感染力の強い病気ではないかと思っています。
その内憂に加えて、外患が3つもある。外患その1は「金融再暴走」、金融が再び暴走を始めるということです。外患その2は国々がすべからく破綻するということで「国家総破綻」、外患その3は「通貨大波乱」、通貨の世界が大きく波乱を来すということです。こういうような状況がこれから展開していく。われわれはそのただ中に足を踏み込んでいるという事ではないかと考えています。
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