サンフロント21懇話会 静岡県東部地域の活性化を考える
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会員リレーエッセイ/会報43号寄稿
「日本開国50年」

松井 大英(了仙寺住職)


1854年、横浜でペリー米国全権と徳川幕府との間で「日米和親条約」が結ばれ、下田と函館(箱館)の開港が決まり、200年以上続いた日本の鎖国は終わりを告げた。そして2004年、下田市は開港150周年を迎える。現在、市役所内に準備委員会が発足し、計画策定に着手しているところである。
2004年まで2年を切ったところで動き出すのは遅すぎる感があるが、腰の重い行政にとってはこれが精一杯かもしれない。ただし民間では既にかなりのところまで企画が煮詰まってきている。2004年に開港150周年を迎える下田市の他に、横須賀市と函館市がそれぞれ2003年と2004年にペリー来航150周年を迎え、種々のイベントを企画中である。横須賀は2003年夏に『開国祭』を計画し、その実施に向けて市役所内に実行委員会が組織されている。また函館は本年5月に函館山中腹の旧イギリス領事館跡横にペリーの銅像が建立され、2004年にはペリー来航記念の行事が企画されるようである。
下田はこの2つの市に対し、共同広報を提案した。各市が単独で事業を展開し、ばらばらに広報をしても、それが全国ネットに載るようなインパクトは持ち得ない。そこで3市が共同で『日本開国150年』をテーマとした広報を行おうというのが提案の趣旨である。下田市も最初はそのようなことは考えていなかったようであるが、民間が独自に動き、函館の日米協会との交渉の中からお互いが行政を説得することを約束した。さらに行政の担当者を連れて横須賀市を訪ね、市の担当部長に掛け合い、3市の行政を動かすのに成功した。動きの遅い行政を民間が引きずっているような形ではあるが、2月初旬3市共同の『日本開国150年』共同広報が全国展開を見据えて動き出した。
5月に開催される黒船祭ではここ数年、開国関連の他の都市との連携を作りつつある。横須賀からは商品開発等で下田も協力をしている「海軍カレー」「ペリー・黒船シチュー」を商品展開し、横浜中華街からは龍舞や獅子舞、物販飲食などを招聘し、関係を深めつつある。今後は下田の開国関連の商品開発にも協力を求めていく予定である。
また祭の期間中、イベント参加者は全員が時代衣装を着ることが義務付けられている。かつらをつけ、映画の衣装、メイクを施した案内人100人の他、数百人の参加者が着物や作務衣などの時代衣装を着て市場を盛り上げる。黒船祭イベントのテーマ「幕末タイムスリップ」を会場に実現させるのである。2004年にはさらにこのテーマを徹底させ、旧町内全部の方々に協力を求めていく予定である。このように黒船祭は集客を目的としたイベントではなく、テーマ性を重要視し、下田のイメージを作り上げていくためのイベントであると考えている。
現在、人が集まっている観光地はすべて明確な町のイメージが出来上がっている。旅館が旅行エージェントに頼って客を集めようとするのは既に時代錯誤である。今は旅館や施設で人を呼ぶのではなく、町のイメージで人を集める時代である。黒船祭はその意味で歴史の町下田のイメージを確立するためのイベントであり、下田開港150周年「日本開国150年」も今後の下田のまちづくりの基本となる下田のイメージを全国発信し、同時に下田の住民に認識してもらうための絶好の機会となるだろう。基幹産業である観光が低迷する下田は今、再生の時を迎えようとしている。



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