サンフロント21懇話会 静岡県東部地域の活性化を考える
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幹事・運営委員と県東部選出県議団・市町村長連絡会議 平成14年3月27日(サンフロント)
14年度の活動目標を確認

 

 サンフロント21懇話会(代表幹事・岡野光喜スルガ銀行社長)の幹事・運営委員と県東部選出県議団・市町村長連絡会議との合同会議が3月27日、沼津市魚町のサンフロントで開かれた。
 出席者は約60人。議事では運営委員長の羽野久雄羽野水産社長が平成14年度の活動目標を取り上げ、富士山麓先端健康産業集積構想の調査・研究と提案、広域行政の推進、『新ゆうゆうネット伊豆』の運営・拡充と伊豆の観光振興への支援、車両の“伊豆ナンバー”の実現−の4点を総会に提案すると説明した。富士山麓先端健康産業集積構想についてはさきごろ示された戦略計画に基づき、懇話会としては伊豆地域の温泉などを活用した健康関連産業の育成や教育環境づくりなども含めて、シンクタンクTESSを中心に構想の在り方を提案していくと報告した。伊豆の観光振興への支援では具体的な戦略プランを提言する方針を示し、カジノ構想や夕日連合、グリーンツーリズムなどを課題として挙げた。
 議事終了後、国立遺伝学研究所の堀田凱樹所長が『全解読された生命の設計図』と題し記念講演を行った。要旨は次の通り。


記念講演

「全解読された生命の設計図」
国立遺伝学研究所長 堀田凱樹氏


 ヒトゲノムがほぼ解読されたことが非常に大きなニュースとなって年がたった。その背景の中で、生命科学、生物学が大きく、革命的に変わろうとしている。その革命とは、一方では科学自体を変えるということ。また一方では、生命科学が我々自身の生活に役立つ技術を生み出すようになる、という革命だ。遺伝研はこれまでどちらかと言えば基礎的研究を行い、遺伝病を直に見て研究する立場にはなかったが、県立静岡がんセンターの開院を機に、連携して人の病気やがんなどにも研究の幅を広げていきたいと考えている。地域や一般の方々との関係を密接にしていかなければ、生命科学の新しい方向に対応していけない。今後は基礎と応用とのバランスを取りながら、我々の研究成果をどうやって役立てるかが非常に重要である。
 “自分の個性がそれぞれにある、しかしよく似ている”−ここに遺伝学の本質がある。ひと頃はやった『だんご三兄弟』の歌はここをよく突いていて、だから子供たちにアピールしたのかと個人的に思う。ヒトの集団を見た場合、みなほとんど同じ遺伝子を持ち、個々の遺伝子の差は現在の研究では0.%ぐらいとされる。だが、これは決して小さな値ではなく、この差が個性を決める。一方、チンパンジーとヒトの遺伝子の差は約.23%。この%台の違いの中に、言語能力や抽象能力など、ヒトがヒトらしくある秘密が隠されている。今はそんなことがどんどん分かる時代になっている。
 遺伝子は生物の共通言語である。どの生物のDNAをとっても同じであり、DNAの塩基配列によって、ヒトもネコもチョウも細菌も、すべての種の壁を越えて語ることができる。ゲノムは、ある生物種の個体全体を完全な状態に保つために必要な遺伝情報のセットとして考えられた概念で、モデル実験生物についてはほとんど解読が完了した。今や生命科学において、遺伝子は分子から固体まで全部をつなぐことができ、さらに分化から進化まで、固体の歴史から生命全体の歴史まで、すべての生命現象が遺伝学と関係する。遺伝学はすべての生命科学の基礎なのである。どんな分野も遺伝学を応用でき、すべての研究結果はヒトの理解に貢献する。日本の遺伝学の教科書の書き方は、こうした新しい流れを反映せず残念だ。一人ひとりが自分の問題として遺伝学を知ることが望まれる。
 遺伝子は、そこに書かれた情報をMRNA(メッセンジャーRNA)に転写することを通じてタンパク質をつくるが、その機能と形までも決めていることが分かり、そのメカニズムが今、緻密に明らかになってきている。となると我々は、遺伝子観を大いに考えていかなければならない。遺伝病やがんの研究、遺伝子診断をして薬を出し副作用を減らすテーラーメード・メディスンなど、新たな可能性を前に、研究者も市民も、互いの交流を考えなければならないのである。 


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