サンフロント21懇話会 静岡県東部地域の活性化を考える
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富士山麓先端健康産業集積構想講演会 平成14年3月15日
『県東部地域から新しい風〜医療・健康産業の未来〜』
−富士山麓ファルマバレー構想推進協議会の石井威望東大名誉教授が講演−

 

 サンフロント21懇話会(代表幹事・岡野光喜スルガ銀行社長)は県との共催で3月5日、三島市本町のみしまプラザホテルで富士山麓ファルマバレー構想推進協議会長の石井威望東大名誉教授による講演会を開いた。石井氏は『県東部地域から新しい風〜医療・健康産業の未来〜』と題して講演し「現在は歴史の大激動期。それを抜きにものを考えてはならない」と語り、会場を埋めた約320人の聴衆に構想の大前提となるグローバル化やIT革命への真剣な対応を改めて呼び掛けた。
 システム工学、マルチメディアが専門の石井氏は「インターネットは人類史上、紙の発明による変換と並ぶ大変換を引き起こしている」と述べ、IT(情報技術)化と工業化が同時に起きたアジア近隣諸国がまったく新しい形の発展を遂げて急速に台頭し、半導体や液晶などかつては日本の独壇場だった分野で日本を逆転、または肉薄している現状を説明。「経営がスピードを持たないと、活力あふれる社会の中の創造のスピードについていけない」と、変化が激しく不確定要素に満ちた『今』という時代の認識を、実感として持ち対応することを求めた。また日本のIT人材の育成の遅れを改めて指摘し、駅にネット端末を置くなどブロードバンド化で最先端を行く韓国を引き合いに出して、インフラを整備しブロードバンドの大衆化を図って国民全体のネットリテラシーを底上げすべきとした。
 一方、2000年にヒトゲノムの解読が完了したことについて「今やメディカル産業のみならず全産業がバイオやゲノムと結び付く」とその意味の重さを語り、シリコンバレーに習い先端バイオ産業と地域計画を結び付ける富士山麓先端健康産業集積構想の先見性を評価した。また近年関心が高まっている『心の理論』に触れ「工業化社会のあるプロセスでは、社会のありようが軍隊の中のように抑圧的だったため、心を無視し規則に従うだけでやっていけたが、社会的自由が進んだ結果、今後は人間の心を考えなければ自分の生存もおぼつかない」と指摘。「医療健康産業の未来は、『人間をつくること』を十分マスターしていける人材をつくることにある」として、インターネットの時代では地理的、物理的要件よりも優れた人材を集積することがカギと強調した。
 さらに石井氏は、天動説から地動説への転換に匹敵するような宇宙観、世界観の変化が人々の間に起きていると指摘。「すべてに効く万能薬があるかのように思う、工業化社会のシンプルな哲学では2世紀は通れないが、そこを乗り越えられれば大変な競争力になる」と語り、官高民低、または中央が優れ地方が劣る、といった図式は先入観であり、地域がいかにやるかが大事と期待を込めた。新しい動きとして、ボランティアエコノミーが持つ創造の可能性をLINUXの誕生の経緯を例に紹介し、その膨大な潜在力をソフト面の充実や人材育成につないでいくことで、活力あふれる社会システムが創出できるのでは、と締めくくった。


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