サンフロント21懇話会 静岡県東部地域の活性化を考える
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活動内容
平成15年度の活動方針

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サンフロント21懇話会合同会議 平成16年3月26日(サンフロント)
15年度の活動目標を確認

幹事・運営委員と県東部選出県議団・市町村長連絡会議

 サンフロント21懇話会(岡野光喜代表幹事)の幹事・運営委員と県東部選出県議団・市町村長連絡会議との合同会議が3月26日、沼津市魚町のサンフロントで開かれた。
 出席者は約60人。運営委員長の羽野久雄羽野水産社長が平成15年度の活動目標案として
(1)富士山麓ファルマバレー構想への支援と研究
(2) 広域行政の推進
(3) 伊豆地域の振興
(4) 富士・岳南地域の振興策への取り組み−の4点を説明し、出席者の賛同を得た。毎年重点目標として掲げてきた広域行政の推進については、平成17年3月の合併特例法の期限を前に東部地域の市町村合併問題もいよいよ正念場という認識のもと、引き続き方向性や枠組みを議論したいと述べた。伊豆地域の振興に関しては、ファルマバレー構想の一端を担う健康関連産業の創出を研究し提言していく方針を提示。富士・岳南地域についても地場産業の振興策と併せてファルマバレー構想と絡めた産業の活性化を研究したいとした。
 議事終了後、県立静岡がんセンター総長の山口建氏が『静岡がんセンターの現状とファルマバレー構想』と題し記念講演を行った。要旨は次の通り。


合同会議・記念講演 平成16年3月26日(サンフロント)
「静岡がんセンターの現状とファルマバレー構想

県立静岡がんセンター総長 山口建氏

 きょうはすべてのサービス、ものづくりにおいてどう付加価値を付けていくかというお話をさせていただきたい。静岡がんセンターの第一の使命は患者に尽くすという点で世界一のがんセンターを目指すこと。ビジネスで顧客満足度ということが言われるが、サービスに近いものでは成果はほとんど満足度で決まるだろう。我々にとっては患者・家族満足度の追求がテーマであるが、病院における患者・家族満足度は一般の顧客満足度とは異なる点があり、もっとも重要な違いは命にかかわる問題であることである。患者の側には治療をやめるという選択ができない、選択の幅が狭い、がんでは半数が最悪の結末となる、「医は仁術」という言葉がかえって仇となることがある−といった点を理解した上で、様々な試みをやってきた。静岡がんセンターでは患者さんやご家族の「心」を大事にする、それは心通う対話である、と的を絞り込んだ。そのために医療技術者から患者・家族への情報提供にはよろず・電話相談、患者図書館を、患者・家族から医療側への希望・苦情には職員による観察、インシデント、患者代弁者、意見箱といった4つのルートをつくるなどきめ細かな取り組みを重ね、システムは日々徹底的に追求している。患者さんのニーズをともかく大切にしたい。一方で静岡がんセンターは静岡県のがん対策の拠点である。今年度は県の健康福祉部、総合検診センター、市町村の方と連携し、市町村のがん関連健康ネットの構築などに取り組みたい。既に開院によって、近隣住民の方々の健康意識が高まりがん検診率も向上するなど、健康面における地域への波及効果は上がっている。
 ところで波及効果は健康面にとどまらず、所在地の長泉町ではインフラ整備、雇用増加、人口増、税収増、新しい観光拠点の誕生などが起こっている。ぜひこれを県東部全体に及ぼしていきたい。そのキーワードがファルマバレー構想。ファルマバレー構想はまず第一に住民の住民による住民のための構想である点が今までの産業興しとはまったく違い、地域医療レベルが向上し住民の健康増進につながるという意味でまさに住民のための構想だ。そしてポイントである医療・健康関連産業の活性化は、この「健康」としたところに静岡県東部の特殊性を加味している。構想の推進には住民、医療機関、研究機関、ものづくり集団の4者を結び付けることが大事だが、現状はなかなか接点がない。これを解決するため4者のネットワークの拠点としてファルマバレーセンターを開所した。ファルマに少しでも関係することはこのセンターが窓口となるのでおっしゃっていただきたい。医療に関しては我々から積極的にアプローチさせていただいて、たとえばこういう技術、物品があると私たちの医療はさらによくなるので作ってほしいといったお願いをするが、ウェルネス産業の活性化に関してはぜひ地域の方々からの積極的な問いかけをお願いしたい。ファルマバレー構想とは一体何か、私は静岡県の特区構想だと思っている。ここがなかなか理解されていないと思うのだが、ファルマバレーということを印籠のようにして、これに結び付くものは規制をできるだけ外そうというのが裏にあるのではないか。
 静岡がんセンターをやって私自身が大事だと思ったのは、まずは心を読むこと。住民はもとより、ウェルネス産業を考えるときには東京人の心を読むのが大切だろう。2番目はブランドに自信を持つこと。伊豆、沼津というブランドは東京から見ると大きいが、どうも地域の方にはブランドのよさが今一つつかめていないのではないか。それから様々な資源を発掘し、集中し、利用すること。集中、がカギ。そして情報はしっかり集めて、ともかく決めたらしゃにむにやること。実はこれは、以前私がいた国立がんセンターの外来に来た銀座のバーのマダムの方々がお店を運営するに当たって何が大事か、口を揃えて言った話がもと。来る方の心が読めないと銀座で店は張れない、ブランドに自信がなければ店をつぶすしかない、資源である若いお嬢さん方を引っこ抜いて集めてこの客が大事と思ったらそこに充てる、情報交換は重要、いざ決めたらしゃにむにサービスに努める−。静岡がんセンターはサービス産業の頂点(あるいは逆なのかもしれないが)を目指して実行し、なかなかうまくやれてきていると思うが、ファルマバレーも銀座精神でやるとうまくいくのかと思う。最後は勝手なことを申して失礼したが、今後ともどうぞよろしくお願い致したい。


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