サンフロント21懇話会は静岡新聞社・SBS静岡放送との共催で5月16日、下田市白浜のホテル伊豆急でシンポジウム「人・自然との交流〜伊豆の未来形」を開いた。静岡新聞社・SBS静岡放送が主催する「地域交流プロジェクト 元気発見団!」の一環で、懇話会会員や観光、行政関係者ら200人近くが聴講した。
パネリストはタレントのキャシー中島氏、名古屋米国領事館商務領事のスティーヴィン・J・アンダーソン氏、ホテル銀水荘副社長の加藤昌利氏、下田・了仙寺住職の松井大英氏の4人。伊豆南部のまちづくりや観光の活性化について、南伊豆町のハワイ化計画に携わっているキャシー中島氏は、「南伊豆には美しい海をはじめとする自然やそこに住む人など素晴らしい資源、素材がありながらそれらが十分に外に伝わっていない」と指摘。リピーターを獲得するための体験型のプログラムの演出などを提案した。
アンダーソン氏は「はじめて訪れたが、静岡県や伊豆の環境は本当に素晴らしい」と印象を話し、日米関係をテーマにした体験型の誘客や留学生の受け入れなどを求めた。
また加藤氏は「従来の慰安型団体旅行や全機能集約型の旅館、ホテル運営が温泉場を疲弊させてしまった。団体客が激減し、客のニーズが多様化しているのに、対応が出来ていない。伊豆の各地域は今、その立て直しに躍起になっている」として、観光地が広域的に連携していく必要性を訴えた。
来年の下田開港150周年記念事業に取り組んでいる松井氏は「体験型観光は、従来の周遊型と比べて“お金を落とさない”と別物扱いされてきたが、それでは伊豆の地盤沈下は止まらない。体験型と周遊型の観光を結びつけられるかどうかが伊豆生き残りへの鍵となる」として、人材の発掘の必要性などを強調した。
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