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TESS 研究員報告/会報52号寄稿
静岡県東部地区における市町村合併の現状と課題

TESS研究員
((財)企業経営研究所産業経済研究部長
中山 勝氏


 「平成の大合併」とも形容される近年の市町村合併の動きは、合併特例法による各種特例措置の期限を2005年3月に控えて、全国各地で法定合併協議会が集中的に設置されるなど、合併実現に向けて一段と加速している。静岡県内の73市町村のうち、法定合併協議会に参加しているのは46市町村で、全体の63%に相当する(2003年11月5日現在)。全国の傾向と同様、県内でも2003年に入ってから法定合併協議会の設置が相次ぎ、最近では沼津市・戸田村、島田市・金谷町で合併協議会が設置されるなど構成市町村数は急速に増加している。

これらの状況を静岡県東部地区についてみると、沼津、三島など4市7町1村による東部広域都市づくり研究会や沼津商工会議所等がつくる市町村合併を推進する会などが中心となり、将来の都市像に対する研究やアピールを行っているものの、法定合併協議会を設置している地域は少なく、全国並びに静岡県全体の動きとやや乖離がある(図表参照)。現在、合併の議論がなされている地区は、2004年4月の伊豆市の誕生を目指す「修善寺町・土肥町・天城湯ヶ島町・中伊豆町」をはじめ、2005年3月を合併目標とした「伊豆長岡町・韮山町・大仁町」「松崎町・西伊豆町・賀茂村」「沼津市・戸田村」である。下田市・河津町・南伊豆町の1市2町も法定合併協議会を設置し合併に向けた協議を行っていたが、河津町の離脱により南伊豆地区の将来構想は新たな局面を迎えた。

では何故、市町村合併がこれほどクローズアップされているのかと言えば、「少子高齢化・人口の減少」「住民の日常生活圏の拡大」「地方分権を担いうる自治体の構築」「国・地方の財政状況の悪化」「多様化・高度化する住民ニーズ、行政課題への対応」「都市間・地域間競争への対応」という我々に課せられた多くの事柄を、個別ではなく一括して対応・解決していくためには、現状では市町村合併という手段が最適と判断されているからである。

 特に静岡県東部地区は、財政状況に余裕がある自治体が多く、市町村合併は重要事項であるという認識は持たれているものの緊急課題ではないという意見も聞かれる。しかし、経済社会の流動化が進行している状態で、現状の恵まれた環境が将来まで続くという保障はない。まして、既に指摘した人口減少や、これに伴う財政負担の増加、税収減等の問題は、時期の差こそあれ今後どの市町村でも課題になると考えられる。

従って、「現在の体制で、果たして将来予想される課題に対応できるのか」「地方分権の大きなトレンドの中で、自治体として、行政の質的レベルや効率性等の観点から、権限の受け入れ体制は十分なのか」という行政内部の問題に加え、「現在の魅力ある地域資源を活かし、持続的発展をしていくためには」「地域住民・企業が満足し誇れる地域であり続けるためには」など中長期を見据えた地域戦略構築が不可欠ではないだろうか。

そのためには、合併協議会が行っているような住民への情報開示を研究会レベルにおいても行い、一人ひとりの情報格差をなくすことが重要である。10月に開催された第9回東部地区分科会において北川前三重県知事が例示した「北京の蝶々」を一匹でも多く飛ばすためにも。



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