ファルマバレー構想の基本理念は、「私たちは患者・家族の視点に立ち、叡智を育み、結集し、共に病と闘い、支えあい、健康社会の実現に貢献することを宣言する」という基本宣言にきちんと言い表されています。とくにわれわれはファルマバレー構想の宣言をつくるときに、患者と医療提供者という関係をやめよう。病気になっている人もわれわれも、実はいろいろの立場から闘っている仲間なんだと。そういった形に変えていこうということで、この宣言をつくるまでに確か年ぐらい大議論が続いたと思います。
その理念に基づいて、具体的な5つの戦略が提案されています。<戦略の>の「産官学連携による先端的研究開発推進」と<戦略3>の「医療・研究開発ネットワーク」に関しては医療関連の仕組みということで、「動き出したファルマバレー構想」という表題がきわめて適切な表現だと思います。ただし、<戦略2>の「新産業創生と既存産業活性化」、<戦略4>の「人材の育成」、<戦略5>の「都市基盤の整備促進」についてはまだまだこれから実行に入らなくてはいけない。あるいは実現されなくてはならない課題がたくさん残されていますので、本日はこの戦略の2、4、5、特に<戦略2>に焦点をあててお話をさせていただきたいと思っています。
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