総会で決まったサンフロント2懇話会の平成7年度活動目標の内容は次の通りです。
(1) ファルマバレー構想の推進に向け、支援を強化
静岡県が進めているファルマバレー構想は、医工連携の拠点となる静岡がんセンター研究所が17年11月に完成するほか、創薬探索センターや治験ネットワークも具体的な活動に入りました。懇話会としては、5月末に予定している北欧の先進事例の視察などを踏まえ、構想の推進に向けて、さらなる支援をしていきます。
ファルマバレー構想のウエルネス戦略の一つに位置づけられている「かかりつけ湯」も、モデル施設を選考するなど構想が動き出しました。懇話会では、全国的なブランドとして定着するまでバックアップしていきます。また、「井上靖文学散歩道」事業については、郷土の文学に関する資源を掘り起こし観光資源として活用することによって、観光活性化、地域振興を心の健康につなげていくといった視点から、作品の舞台となった各所に文学碑を設置するよう関係市町の首長に提言していきます。
富士宮地域を中心に進められている「フードバレー構想」についても、ファルマバレー構想の一環として捉え、食を通した地域振興、健康増進のため、推進に寄与していく予定でいます。
一方、少子高齢化とそれに伴う医療、福祉が大きな問題となってきていることから、介護予防事業についても温泉や観光とからめた研究をしていく計画でいます。
(2) 技能五輪国際大会への支援
県内では平成19年11月に、技能五輪国際大会と国際アビリンピック(国際障害者技能競技大会)が同時開催されます。このうち技能五輪国際大会は沼津市の門池地区が競技会場に予定されています。懇話会では、5月末に、フィンランドのヘルシンキで開催される技能五輪国際大会の視察を行い、競技についての理解と認識を深め、沼津での大会を積極的にPRしていきます。また、視察に併せて北欧のサイエンスパークを訪れ、競技会場の跡地には何が最適かを検討し、新たな起業につながっていく「学者村」のような構想を提言していきます。
(3) グローバル観光戦略を柱とした観光の振興
サンフロント21懇話会は、平成15年10月、海外からの観光誘客を狙いとする「静岡県グローバル観光戦略」を石川知事に提言しました。これを受け、昨年9月には戦略の推進に向けて官民一体となった勉強会が設立されました。懇話会では、国際化に対応した予約インフラの構築や受け入れサービス機能の充実、観光清報の表示一提供機能の見直しなど、さまざまな視点からグローバル観光戦略の実現をバックアップし、官民連携によって東部地域の観光の振興に寄与していきます。
(4) 市町村財政の危機的状況を訴え、合併を推進
東部地域では昨年4月、田方郡修善寺、天城湯ヶ島、中伊豆、土肥の4町が合併して「伊豆市」が誕生しました。今年4月には伊豆長岡、韮山、大仁の3町が合併して「伊豆の国市」が発足し、沼津市と田方郡戸田村も合併しました。このぼか、賀茂郡西伊豆町と賀茂村も合併して4月には新たな「西伊豆町」がスタートしました。しかし、この枠組みからは松崎町が抜け、伊豆南部の下田市、南伊豆町、河津町の合併も破綻しました。
県の中・西部に比べ、東部地域は合併を見送る市町が目立ち、合併に向けた足並みがながなか揃いません。7月には県西部12市町村が合併して大浜松市が誕生し、政令市に向けて準備を進めます。懇話会としては、このままでは市町村財政はいずれ破綻しかねない危機的な状況にあることを強く訴え、地域間競争に勝ち抜いていくためにも、合併の必要性を住民に呼びかけていきます。併せて、将来を見据え、高次の都市機能を備えた拠点都市のあり方を提示していきます。
|