2年後の2007年月に沼津の門池地区を会場に技能五輪の世界大会が開かれます。この2007年は、わが国の総人口が減少に転じる最初の年であると同時に今までの日本経済を支えてきた主力メンバーの団塊の世代が60歳を超えて最初に退職が始まる年として「2007年問題」ということがいわれています。以後3年間ぐらいで約700万人の団塊の世代がリタイアします。そこで日本の製造業を中心に団塊の世代の築いてきた力、技術、ノウハウを如何に若い世代に引き継ぎ、日本の力を低下させないようにしていくかが注目の的になっています。
早いところでは5年ほど前からものづくりの現場などで団塊世代を中心としたベテランが若い人たちを育てる特別な組織を作って技術の伝承に取り組んでいますが、政府も今年の予算で、職業能力開発を担っている厚生労働省、経済政策全般の推進の中心的役割を果たす経済産業省、そして人づくりという分野から文部科学省の3つの省庁を中心に、ものづくり閣僚懇談会が出来ました。そして各省も今年度予算にものづくりの力の伝承と向上、このための予算を組んでいます。
技能五輪世界大会に向け、いよいよ今年から組織委員会がスタートしました。私も地元代表でメンバーになっていますが、技能五輪世界大会はものづくりに国民の関心を集め、若い人たちをものづくり分野に引き入れていくいいチャンスになると大変力こぶが入ってきています。
5年前に2007年の技能五輪世界大会招へいを打ち出し、仕掛けた頃は本県の試みを冷ややかな目で見ていた方々も県内外にいました。しかし今は、国をあげてものづくりの技能をどう伝承するかが大きな問題となり、本格的な取り組みが始まりました。そして、日本のものづくりというのはもの凄いと、改めてあちこちで実感されるようになってきているわけです。
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