熊本県の天草空港は、滑走路の長さが千メートルあります。これもコミュータ空港です。北九州にはたくさん空港があります。建設中の北九州空港、佐賀空港、大村湾にある長崎空港、そして大分空港と各県に空港がつずつある。それから熊本県には阿蘇山と熊本市の中間ぐらいのところに空港が出来ており、その中で天草の方々は空港が欲しいということで、天草の下島に空港を作ったわけです。
982年ぐらいから熊本県で天草コミュータ空港計画としてまとめられて、当時、広島と松山、大分空港の3地点を結んで飛んでいる朝日航空に天草に空港が出来たら飛んでくれないかと持ちかけましたが、瀬戸内海を高速船が走り出して採算性が極端に悪くなって朝日航空自身がコミュータ事業から降りました。困った熊本県は次に本田航空という本田技研の子会社に話を持って行き就航契約を締結し、県では空港設置許可申請を国に行い、設置許可が990年に降りたわけです。その後992年に本田航空自身は小型機による事故の影響もあったと思いますが、コミュータ事業から撤退すると宣言し、契約を破棄されてしまいました。
熊本県、天草の地元の方々は非常にお困りになった。いろいろ航空会社を当たってもどこもやってくれない。仕方ないから自分たちで第3セクターの航空会社を97年に設立する方針を決め、空港が出来る直前の98年に会社を設立し、飛行機も買って2000年3月に
開港しました。正式に計画が立ち上がって開港するまでに8年間かかっています。
作られたのが「天草エアライン」という会社で、平成0年0月に資本金4億9900万円で作りました。資本金が5億円を切っているのは監査役を置かなくてもいいためで、資本は県が53・3%、地元の市町が26・9%、地元を中心とした民間が9・8%を負担し、これ以外に県は5億円ぐらいで飛行機を買ってこの会社に提供し、それにいろいろな開業準備費用、部品なんかも入れますと合計26億円ほど県で助成金を出しているということです。
使っているのはカナダの飛行機でボンバルディアのダッシュエイトという39席の飛行機です。天草―熊本の路線を日往復飛んでいますが、熊本空港は熊本市の更に山の方にあり、なかなか利用者がいないわけで、実際にメインは天草―福岡という路線です。日熊本往復、福岡4往復を1機で飛ばしているということです。その他、県の防災ヘリの運行も受託してやっている。
当初、天草に火力発電所をつくるということで、その技術者が相当頻繁に往来し、最初の2年間は良かったんですが、工事が終わってガクッとお客さんが減って赤字になりつつある。赤字に対しては県と地元が協定を結び、赤字の3分の2は県が負担し、3分のは地元の市町が分担することになっている。何とかしなければいけないといろいろ議論された結果、去年0月から熊本まで飛んでいた飛行機は、熊本までではお客さんがいないわけで、さらに松山まで足を伸ばして、熊本―松山、松山―熊本、熊本―天草という串刺し運行を開始して、これが結構上手く行き始め、今、何とか息を吹き返しているところだとうかがっています。
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