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第14回伊豆地区分科会 第1部・最新報告
これが富士山静岡空港!
プレゼンター  静岡県空港部利用推進室参事 松井隆氏


静岡県空港部利用推進室参事 松井隆氏

 せっかくのこうした素晴らしい機会に富士山静岡空港の開港延期という状況になりまして大変心苦しく思っております。皆様にご心配とご迷惑をおかけしたことを改めてお詫び申し上げます。大石専務から励ましの言葉をいただきましたので、意を強くして空港についての最新情報ということで、延期に至った状況についてご説明をさせていただきます。


支障物件が残った理由

 今回、富士山静岡空港の開港を延期せざるを得なくなりましたのは、空港の西側の一部地域に航空法で定めますところの「制限表面」を超える立木や土地が残っているためです。飛行機が安全に離着陸するためには一定の高さ以上のところに障害物がないようにしなければならないと法律で定められていますが、現状、一定の高さ以上のところに立木や土地が残っているという状況です。
 こういった支障物件が残った理由ですが、測量を行うにあたって当時、空港建設反対運動のため現地に立ち入りして測量することができませんでした。やむなく航空データ測量という手法で測量を行いました。航空データ測量というのは飛行機からレーザー光線を照射しそれが戻ってくる時間差等で測量をする手法です。現地が極めて急峻かつ複雑であり、樹木が密生していた状況ということで測量に若干誤差が生じたことが一点、その測量データに基づいて土地収用を確定するための図面を作成する工程がありますが、測量データから図面作成に移行する段階のデータ処理に一部ミスがあったということで、これらの要因によりまして本来ですと制限を施すべきところが抜けてしまい、そこのところに一定の高さの木が残ってしまったという状況です。


交渉は極めて難航している

 要はこれらの問題を解決するためには、その立木を伐採する、あるいは一定の高さにある土地を削るということで、高さを抑えればいいわけですが、その立木、あるいは土地の地権者の方からは現在のところ承諾が得られておりません。この地権者の方は富士山静岡空港の用地取得にあたって強制収用を認めた事業認定は違法であるということで、認定の取り消しを求めて国を訴えている原告のお一人です。そんな事情もありまして支障物件を除去していただくという交渉は極めて難航しているというのが現状です。県としましては平成21年3月の開港を目指しまして、現時点でも一日でも早く支障物件を除去していただくように引き続き地権者にお願いしているところです。


来年3月の開港は断念

 そうは言いながら富士山静岡空港の開港に向けましては県民の皆様方の期待に加え、各界の方が具体的な準備を進めているというのも現実です。こうした状況を考えますと速やかな対策が必要だということで県では航空機の運航の安全確保のために一定の処置を講ずれば開港が可能になるのではないかということで、そのための方策を様々な角度から検討してまいりました。
 それらの検討の結果、富士山静岡空港は、2500メートルの滑走路を有する空港ですが、支障物件が現存する現状を踏まえて航空機の運航の安全を確保するため障害物を回避するような形の運航が可能になる方策といたしまして、暫定的に滑走路を2200メートルに短縮して運用することといたしました。しかしこのためには滑走路の航空灯火等を追加して整備する必要がありまして、この工事に加えまして国の完成検査等一連の手続きがございます。その点を勘案しますと、県民の皆様にお知らせしてまいりました来年3月の開港は断念せざるを得ないという状況です。


滑走路を短縮して暫定的に運用

 暫定運用の具体的な中身についてですが、2500メートルある滑走路のうち2200メートルを使うということなのですが、障害になる立木を切っていただけないということですので、スタートの位置を300メートル下がってずらすと障害物に当たらないという形の運用で当面は飛行をしようと考えました。その際に2200メートルの位置をパイロットが確認する必要がありますので、滑走路の端の部分に航空灯火を設置する必要が出てきました。そのために航空灯火の追加を含めて、それらの工事を施すのに約3カ月程度の時間がかかる状況になっています。
 実は現在、富士山静岡空港のすべての工事は完成しておりまして、当初の予定ですと20年11月1日が完成予定期日でした。ところが、いま申し上げました追加工事の必要性が出て来た関係で10月29日に完成期日の変更を国土交通省に届け出ました。11月1日であったものを21年3月1日ということでご報告いたしました。これに対して国の了解等を得まして、追加工事を11月初旬に着工し、来年2月末までには完了し、今度は国に工事完成検査の申請を致します。そうしますと国が富士山静岡空港の整備状況の検査をします。これにもかなりな日数が要されます。29日の発表ですと、それらを勘案して一番時間がかかってしまう場合でも7月までには何とか2200メートルの暫定運用の形で開港できるという形でございます。工事の短縮、検査等を速やかに実施していただくということで、少しでも前倒しで開港できるよう最大限の努力を払っていきたいと考えています。


3社とも予定通りの就航という報告

 次に本来2500メートルのところが2200メートルになってしまうことの影響ですが、例えば滑走路が短くなったことによって飛行機が飛べなくなるのではないかというご懸念があろうかと思いますが、この点について確認しましたところ、就航を表明していただいています日本航空さん、全日空さん、アシアナさん、来年の夏就航を予定している富士ドリームエアラインさん、それぞれ使用する機材が決まっております。それぞれの飛行機については標準的な離陸に必要な滑走距離、着陸に必要な滑走距離は示されていますが、例えば日本航空さんが使用しますマクドネルダグラス社のMD81という機材ですと離陸に必要な距離が2050メートルというのが標準的な数字です。着陸の場合はもっと短くて1440メートルなどいずれも2200メートルの滑走路があれば就航可能ということです。
 もう一点、こうした状況に至ったということで就航を表明していただいている航空会社さんが就航について計画の見直しをする心配がございます。その点につきましても基本方針が固まりましたので、副知事が早速東京のエアライン各社を回りまして富士山静岡空港をめぐる現状をご説明申し上げ、加えて計画通りに就航をお願いしたところ、基本的には状況をご理解いただきまして3社とも予定通りに就航して頂けそうだという報告がありました。以上、開港延期についての状況をごく簡単に説明させていただきました。


エアポートフェスタを一つの転機に

 もう一つご案内しますと、「スカイ・レジャー・ジャパン&エアポートフェスタ2008in静岡」ということで11月の8、9日に富士山静岡空港を会場にイベントを開催します。今回のイベントは日本最大級の航空イベントということで全国持ち回りで開催されていますスカイ・レジャー・ジャパンというイベントと富士山静岡空港のPRのために過去2回開催しましたエアポートフェスタという2つのイベントをジョイントして大々的に開催するものです。現在、空港の見学に多数の方においでいただいておりますが、工事との関係で展望台から概観を見ていただく状況です。この8、9日につきましては、実際に空港の敷地内に入っていただきます。駐機場、あるいは滑走路などを会場にしてイベントを開催しますので、実際に空港の敷地内に入ることのできる数少ないチャンスになろうかと思いますので是非、多数の方にご参加いただければと思います。
 私どもとして開港に向けて盛り上がってきたところに開港延期ということで、そうした動きに水を差してしまったような状況ですが、この大きなイベントを一つの転機といたしまして改めて開港に向けて頑張っていこうという気持ちをこめてイベントを開催していきたいと思いますので、是非お越しいただければと思います。


なるべく早く開港できるように全力で取り組み

 県では2500メートル滑走路が使用できます完全運用を目指して地権者の方に一日も早い支障物件の除去を誠心誠意お願いしてまいります。また、これまでの皆さんのご支援、ご尽力を無にしないためにも暫定運用といいましても出来るだけはやく、遅くとも7月という表現になっていますが、なるべく早く開港できるように全力で取り組んでまいりたいと思っています。県民の皆様方におかれましても富士山静岡空港に対しまして今後とも変わらぬご支援、ご協力を賜りますよう重ねてお願い申し上げまして本日の報告といたします。



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