今回、富士山静岡空港の開港を延期せざるを得なくなりましたのは、空港の西側の一部地域に航空法で定めますところの「制限表面」を超える立木や土地が残っているためです。飛行機が安全に離着陸するためには一定の高さ以上のところに障害物がないようにしなければならないと法律で定められていますが、現状、一定の高さ以上のところに立木や土地が残っているという状況です。
こういった支障物件が残った理由ですが、測量を行うにあたって当時、空港建設反対運動のため現地に立ち入りして測量することができませんでした。やむなく航空データ測量という手法で測量を行いました。航空データ測量というのは飛行機からレーザー光線を照射しそれが戻ってくる時間差等で測量をする手法です。現地が極めて急峻かつ複雑であり、樹木が密生していた状況ということで測量に若干誤差が生じたことが一点、その測量データに基づいて土地収用を確定するための図面を作成する工程がありますが、測量データから図面作成に移行する段階のデータ処理に一部ミスがあったということで、これらの要因によりまして本来ですと制限を施すべきところが抜けてしまい、そこのところに一定の高さの木が残ってしまったという状況です。
|