サンフロント21懇話会 静岡県東部地域の活性化を考える
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第14回伊豆地区分科会 第1部・最新報告
富士山静岡空港の取り込みに向けた各地の動き
プレゼンター  静岡県観光協会 しずおかツーリズムコーディネーターチーフ 今井利昭氏


静岡県観光協会しずおかツーリズムコーディネーターチーフ 今井利昭氏

 私ども県の観光協会、県観光局の事業として就航先を中心に集客活動を展開しているところです。県内の動きと就航先の動きも併せてお知らせしたいと思います。
 10月22日、一斉に静岡空港開港が延期されるのではないかという報道がされました。この中を私は予定通り10月24日から4日間、沖縄地域の誘客活動を実施してきました。静岡県のブースを出して私どもが声を掛けるわけですが、ブースに立ち寄るお客様は大変に静岡空港の開港のことを分かっていらっしゃいまして、「開港問題大丈夫か」と声を掛けていただきました。沖縄は米軍基地もありますし、沖縄の人たちは空港に関係する問題に対して大変に敏感です。多分、そういう中で記事を読まれたと思います。
 私が9月中旬に沖縄を訪問した時は、旅行会社のスタッフが「富士山静岡空港ってできるんですか」という状態でした。開港延期という展開になりまして、沖縄の人も富士山静岡空港が開港するということを認知されたわけでして、新聞広告以上に効果があったのではないかと、私は前向きにとらえて皆さんに伝えながらやっていきたいと思っています。


沖縄で静岡県の観光キャンペーン

 沖縄での静岡県の観光キャンペーンでは、皆さん大変、静岡に関心があり、富士山に登りたいという方が多く、500枚ほど富士山の案内を持っていきましたが全部はけてしまいました。
 もう一つ、沖縄に向け福島空港発の午前便を飛ばしている日本トランスオーシャンが修学旅行生を沖縄から福島に迎えに行っています。沖縄から福島に来る便が空っぽですから沖縄の旅行会社が「東北の秋を楽しんでください」という旅行を企画したところ満席だそうです。修学旅行生が今度は沖縄の日程を終えて福島に帰ると、沖縄の皆さんが日程を終えて沖縄に帰る。航空会社は万々歳ですし、福島の皆さんも沖縄の皆さんもとても喜ぶという、行き交うツーリズムというものが空港によって大変盛んになるかと思います。これは空港があっての企画ですから静岡空港が開港すれば、こういう商品も出てくると思います。海外ともこういう話が期待できるのではないかと思います。
 沖縄の皆さんは横の社会でして、いったん旅行をしますとびっくりするくらい買い物をします。親類中におみやげを買っていくのが沖縄でして、どこの旅行会社を訪ねましても沖縄の人の買い物は尋常じゃないよと。そういう横社会というのが沖縄の特徴を表している。ですから個人で来てもグループで来ても、こういう沖縄の特徴を人口130万の小さなマーケットかと思いましたが、伊豆を訪ねてもらうと昔ながらのプログラムが展開するんじゃないかと、こんな期待が持てるマーケットだと見てまいりました。


さまざまなプロモーションを展開

 県内の空港にかかわる部分についてご案内したいと思います。5年ほど前から札幌ドームを静岡のコマーシャルで埋め尽くしたり、ヤフードームで宣伝をやったり、さまざまなプロモーション展開をやってきました。今年3月に九州、北海道、沖縄、さらにこの周辺の旅行エージェント120名ほどに静岡に集合していただき、空港の現状とともに各地に分散して静岡県の観光の魅力を味わっていただきました。こういうプロモーションをずっと続けてきています。
 台湾からモニターツアーが11月にかけて3本入ります。そして台湾の世界旅行博にも県のプロモーション事業として出かけています。10月には香港、深川の旅行会社と具体的な伊豆、富士山などの周遊コースの日程を具体的に提案し手応えがありました。増加が目立つ香港の旅行者はゴールデンルートとして東京の成田に降り立ち、東京で遊んで東名で静岡を行き過ぎ関空から帰ってしまいます。なんとか静岡に立ち寄らせようと努力しているところです。


静岡空港開港に向けて観光商品を開発

 静岡空港開港に向けて県内の10団体がいろいろな観光商品を開発してきました。具体的商品になって旅行エージェントの窓口に流そうというところでしたが、これは少し延期になりました。
 ご紹介しますと、まず藤枝はビジネスホテルが非常に盛んです。大井川沿線に大手の食品企業がかなり進出し、その取引先、あるいは本社の皆さんが藤枝にやってくる。ビジネスホテルは大体夕食は用意してありませんから藤枝の町の居酒屋は大変元気です。そして藤枝には静鉄さんの経営するゴルフ場もあり、その3つをセットして売ったらどうかという話が始まりでしたが、こういう話を持って北海道に行きましたらゴルフを専門にやっている旅行会社が飛びついてきました。静岡空港周辺で10カ所のゴルフ場に1時間以内で行くことが可能でして、こういう訴え方をしていくことによってまちの活性化にもつながりますし、おもしろい商品が出来上がってくるんじゃないかと。
 それから空港ができると一番のゴールデンコースになるのではないかと思いますが、富士山が海から見えるルート、広重の絵でも富嶽三十六景の中でも田子の浦の沖から見る富士山が非常に鮮明に描かれていますが、この景色が見えるのも駿河湾です。富士山、アルプス、お茶、伝統工芸、日本一深い駿河湾、マグロの水揚げも日本一、それにSLをくっつけてマグネットという名前を付けて売り込んでおります。結構これに引き合いがあります。これを使いながら伊豆の西海岸への予約が結構発生すると思います。実際に開港が3月でしたら発生していました。今、次々とキャンセルが来て叱られておりますが、可能性があったということは証明されておりますので、是非こういうものを上手に使ってください。こういうような宿泊施設や周辺のいろいろなものを使ったセット旅行が誕生してまいりました。


伊豆ドリームパスなど誕生

 伊豆に何とか早く、そして楽しく行けないかということで、空港から清水の港まで直接入りまして、フェリーで土肥までお送りするという、2名予約をしていただければ運航する伊豆アクセスツアーバスも出来てきました。このツアーバスが出来たおかげで、東海バスさんと伊豆急鉄道さんとフェリーボートさんの3者が一緒になり3日間有効の伊豆ドリームパスという商品が誕生しました。これもやはり空港からのルートを様々に検討していきました中で出来た商品で伊豆の皆さんが何にもやっていないわけでなく、一生懸命やっておられます。
 それから空港から一番近い観光地は大井川周辺でして直接、新金谷に入れば15分で行く。全日空の札幌便とか福岡のJALの便はSLに間に合うんです。大井川鐵道に私どもから「2名でタクシーに相乗りして新金谷に行ってSLに乗せる新商品を作ってください」と一生懸命お願いしましてほぼ出来上がってきました。間もなくリリースする予定ですが、こういうような商品も着々と出来てきているわけです。
 さらに奥大井の寸又峡を中心としたコースではダム湖の上に鉄橋があり、湖上駅がある。日本一不思議な駅とテレビで紹介されました。そういうものも結構商品として作れる。きょうは台湾の皆さんがそこに30名ほど行っています。
 まだ出来上がっていませんが、袋井の遠州三山の可睡斎に泊まりながら、最初は「三日坊主」というタイトルを考えましたら皆さんから「これはいい」ということでした。ご住職から「坊主とは何だ」ということで、「三日坊さん」でインパクトがなくなりましたが、こういう商品も作っております。これは果たして北海道や九州の人たちが来るのという話もあるのですが、空港を機にこういう動きがあることは結果として東京のみなさんとか、大阪の皆さんが買ってくださってもいいわけで、決して無駄な動きではないと思って私は応援しています。
 掛川の報徳社、焼津の浜通りなんかを今お手伝いしています。浜松では「やらまいか浜松ブランド巡りツアー」というのをコンベンションビューローがリードしながら作って浜松の産業を紹介するツアー設定をしております。浜松の奥、三ケ日の皆さんが舘山寺の皆さんと一生懸命働いたおかげで空港から浜松西インター経由浜松行きのバスが実現しようとしています。そして浜松西インターまでは舘山寺のバスが無料でお迎えに来ます。三ケ日は旅館ごとに予約があれば西インターまで迎えに行くという話にまで発展しておりまして、空港から西の部分のアクセスが大変良くなりつつあります。


一番求める部分は空港からのアクセス

 皆さんが一番求める部分は空港からのアクセスです。沖縄でもそうです。沖縄はモノレールができましたから1日券、2日券、3日券というような券も発行されておりまして、非常に沖縄を訪れる人には便利です。1日に何回もモノレールに乗っても600円、2日で1000円、3日間で1400円ということでして、沖縄を訪れる人は非常に足が便利になりました。それから福岡空港は日本一便利な地下鉄が乗り入れていまして、都心部までは10分から15分、札幌もJRが乗り入れていまして札幌市内まで45分から50分あれば十分アクセスできるということですから、このアクセスの大切さというのはどこの就航先の皆さんも言っていることをしっかり認識していかなければならないと思っています。
 就航先の、特に福岡はJALさんが3便就航して福岡の皆さんも便利なように発表されていますが、九州の皆さんは何と言っても富士山です。こういったものをしっかり絡めたコースが必要で、そして非常にいいものが出来上がっていますので福岡地域から1泊2日で来られる。さらに周遊をうまく誘導しながら伊豆に引っ張ってくる提案が必要かと思います。
 さらに観光のお客さんでは絶対にこの3便は埋まらないという認識をしておりまして、やはり静岡県から九州に進出する企業情報が欲しいということで、県の方からも出せるところは出すということです。空港の開港については、できる限り早くいつ開港するんだよということを、就航先の皆さんも求めていることを認識していく必要があると思います。


新しいゲートウェイ、玄関が出来る

 北海道の皆さんは、この伊豆の地にも昨年からかなり前倒しのツアーが入ってきております。こういうことは4年前から県をはじめプロモーション活動をやってまいりましたので、前倒しでツアーを設定して開港に向けようという努力をしてくれていたところです。
 日本旅行と北海道のHBCのラジオの共同企画で、パーソナリティーの田村さんという方と一緒に天城越えツアーというプランで募集をしています。1月の10日に入ってきます。田村美香さんというパーソナリティーの方が声をかけると100人、200人がすぐ集まるそうでして、今どんどん宣伝しているということで、大変ありがたいことで歓迎したいと思っています。
 全日空さんも今まで北陸で静岡の表現は一切なかったのですが、静岡の名前を表紙に出してくれるようになりました。これも静岡空港ができる一つの大きな出来事です。
 今まで静岡というところは伊豆、箱根という形で表現しておりましたが、富士山静岡空港ができるということで、静岡全体の、もちろん伊豆も含めたトータルな提案ができるようになったと私は思います。こういうものを上手に組み合わせながら国内の、あるいは海外のお客さまをしっかりお迎えする。新しいゲートウェイ、玄関が出来るわけですから皆さんと一緒にできる限り早い開港を願いつつ、前向きな姿勢で今後も営業展開していきたいと思っています。



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