「サンフロント21懇話会」(代表幹事・岡野光喜スルガ銀行社長)は、6月の開港を前に「富士山静岡空港開港カウントダウンシンポジウム」の第2弾を2月17日に沼津市のブケ東海で、第3弾を3月13日に富士市のホテルグランド富士でそれぞれ開いた。ともに第14回の東部地区分科会、富士地区分科会として開催したもので、昨年10月31日の第14回伊豆地区分科会の第1弾に続いて3地区が連続して富士山静岡空港の利活用をテーマにした特別シンポジウムを開催し、地域の特性をにらんだ戦略を考え、官民一体となった取り組みを討議した。 東部地区分科会は会員ら約120人が出席した。県空港部経営管理室長の白井満氏が開港時の国内線と国際線の就航先など、富士山静岡空港の最新情報を報告した。「富士山静岡空港の利用促進に向けて」と題して基調講演した空港運営会社の富士山静岡空港の吉岡徹郎社長は、ターゲットとなるインバウンドのニ―ズを的確につかみ、受け入れ側が知恵を絞り、努力することが求められる─と強調した。 パネル討論では、国内外で抜群の認知度を誇る"富士山"の魅力を最大限に活用して伊豆・東部地域を売り込む提案があり、ほかにも貨物便就航による物流改善、沼津・三島・伊豆と空港を結ぶバス運行の実現、開港による民間交流の拡大─などの意見が出され、伊豆・東部地域の多様性を生かすために、地域が一体性を持って取り組む必要性を確認した。 富士地区分科会には約100人が出席し、開催地の鈴木尚富士市長が「開港を機に活性化を目指すのは観光。スポーツと産業を結び付けた観光を発展させたい」と開港効果に期待を寄せた。開港に関する最新情報を犬丸淳県空港部利用推進室長が説明。「富士山静岡空港の利用促進に向けて」と題し吉岡徹郎富士山静岡空港社長が基調講演し、続くパネル討論では「環富士山地域の広域連携を強める」「富士山の眺めを生かし、趣味の世界を盛り込んだイベントの開催を」「地場の産業集積を生かしたメッセの開催を」など富士山を間近に仰ぐ富士・富士宮地区の空港を活用した活性化に向けた方策などを4人のパネリストが産業分野の視点から提言した。 今回は開港に関する最新情報と吉岡徹郎富士山静岡空港社長の基調講演は第2弾、第3弾で重なるため、東部地区分科会のものを、そして両地区のパネル討論の詳報を掲載する。