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記念講演 3月26日開催
「政権選択の行方」
共同通信社政治部次長兼編集委員 柿崎 明二 氏

 

共同通信社政治部次長兼編集委員 柿崎 明二 氏
 柿崎氏は、当時の民主党・小沢代表の公設第一秘書逮捕に関連する政局の動きを取材活動をもとに分析。西松建設巨額献金事件の今後の捜査進展状況や世論調査の結果などにもよるが、「小沢一郎代表が辞める状況となれば、民主は中堅若手から支持されている岡田克也副代表が次期代表となる可能性が強い」と指摘し、民主党や自民党の党内事情などを交えて、政局の動きを予想した。その後の展開は、柿崎氏が予想した通り、5月の連休明けに小沢代表が辞任を表明し、鳩山氏と岡田氏による代表選の結果、岡田氏は若手・中堅の支持を集めて追い上げたものの、小沢氏の支持層をまとめた鳩山氏に届かず、柿崎氏の予想した岡田代表は実現しなかった。小沢氏の辞任、代表交代によって低落傾向にあった民主党の支持は反転した。3月下旬当時の情勢として講演内容をまとめた。

小沢問題が政治問題そのもの

 政権選択の行方ということですが、今、非常に混沌としています。選択する場合、2大政党の顔がどうなるのか分からないという状況なので、その顔がどうなるかを現状からみてお話したいと思います。
 今、小沢問題が最大の問題になっています。先日記者会見しましたが、明らかに当面の続投を本人もにおわしていますし、民主党、自民党、そして僕らも当面の一時的な措置であろうと思います。今後の推移では別の線もあるという捉え方をしています。
 小沢問題と言いますが、実はこれが永田町全体の、自民党の党首力を含めて影響を与えるということで、今、政治問題そのものと考えていただければいいと思います。というのは、もし小沢さんが辞めたとすれば、一気に今度は岡田さんになる可能性が強く、そうなると党勢は拡大する。となると今度は自民党内も麻生降ろしが激しくなるという問題になってくる。結局、小沢さんの去就が自民党の問題も永田町全体を考える上で基本になる問題になっています。

民主党の若手の思い

 なぜ小沢さんは続投するのか。続投することがマイナスにいくと分かっている上で、何でそれを選んだのか。ある時点で、西松問題の捜査は自民党には行かない。つまり国策捜査であるという構図が非常に大きくなった。また、彼は党内の反小沢系が何を言っているか全部調べさせ、その結果、かなりリスキーだと言いつつ、その上で、今回続投を決めた状況になっているようです。
 今回、民主党の若手は、ほとんど小沢批判をしませんでした。そこで民主党の若い議員に対する批判が出ましたが、彼らの代弁をするわけではありませんが、とくに彼らが小沢さんを怖がっているわけではありません。昔のように民主党の議員たちは支持母体だけで当選していません。無党派層を取り込んでいます。ですから個別議員の当落を小沢さんがコントロールできるという状況にはない。だから彼らは小沢さんを怖がっているのではなく、何を怖がっているのかというと小沢さんが民主党をぶっ壊すのではないかと。あまり自分たちが小沢さんの批判をすると、小沢さんが逆上してというような恐怖感はあるわけです。そこで今回は非常におとなしくしているわけです。できるだけ小沢支持を打ち出していった方が、小沢さんがおとなしく民主党の既定路線を歩いてくれる。そういうようなことでおとなしくしている。

小沢の次は岡田か鳩山か

 今後、小沢さんの動向は自分が判断することではなくて、国民の受け止め方次第だと言っています。世論調査、千葉県、秋田県知事選も含めあらゆる状況が小沢さんに厳しい方向に行っている。はっきり言うと多分小沢さんが辞めるのではないかということを言っているわけですが、となるとどうなるか。これも概ね新聞の予測記事で書かれていることですが、次は岡田さんという見方が強いです。
 岡田さんの人徳がそれだけあるということではなくて、小沢さんに次ぐ党首力、2004年の参院選で小泉さんに勝ち、翌年の衆院選で惨敗しますが小泉さんに1勝1敗です。あの時の衆院選で負けると即刻辞め、その後メディアに出ていませんので、一種の瞬間冷凍状態にある。瞬間冷凍状態だからあまり傷んではおらず、解凍すれば使えると。一方、党内基盤が弱いと言われますが、面白いやり方で党内基盤を築きました。代表を終わった後、落選議員を中心に全国を歩いています。ですから岡田さんの原理主義的な性格は皆分かっていますが、リーダーとしてやるときはやるんだなというような空気が前よりはかなり理解され、党内基盤もかなり強くなっています。
 もう一つ、鳩山さんですが、小沢さんが責任を取って辞めた場合、小沢さんの院政だという見方が強くなる。そうなると党勢拡大ができない。その点岡田さんは、離れていましたから局面打開になり、そうなれば党勢も回復するという見立てでの岡田さんです。
 菅さんについては、小沢さんと会って辞めてくださいと、はっきり言ったかどうか分かりませんが、それに近いことを言ったと思います。その時に自分の進退についても言ったようです。つまり自分は出ないということを言ったようです。

小沢続投を歓迎する自民党

 各マスコミの世論調査では、「小沢さんは辞めろ」ですが、でも民主党の支持率は高いんです。もともとこの構造は民主党が持っていて小沢さんは嫌だが民主党は支持するという民主党の固定客がいます。このねじれた局面を戻すのは、小沢さんがスパッと辞めて、岡田さんになれば多分、単独過半数は取るくらいにはなりそうで、過去の例を見ても自民対民主の政権選択の構図になるとだいたい民主が勝っている。今度は小泉さんのように自民党内の党内対立をあおれませんので、多分政権選択選挙になると思います。政権選択選挙になれば単独過半数を民主党は取れるかもしれません。自民党は非常にそれを恐れていて、今回、小沢さんが続投したのをもろ手を挙げて歓迎していました。
 麻生さんも一応民主党の代表交代を見越した動きをしています。補正予算を組み、5月の連休明けに提出して成立を図るということになれば、そこまで延命できる。民主の代表が代わっても麻生降ろしは抑えられるということで、景気対策、補正予算を自分の延命策に使う状況になっています。
 非常に交錯した話で、麻生さんは解散ということで皆にブラフをかける。つまり麻生降ろしをやったら、選挙に弱い麻生さんで選挙をやってしまうよということで、だからあまり騒ぐなというような意味です。本人がある程度認めていますが、これにはその時点で麻生さんの支持率30%を超してきたら麻生さんで選挙をやると。
 解散権を麻生さんは持っていないんじゃないか、縛られているんじゃないかという人がいますが、民主党のように政権交代ができそうな党がある中で、自民党が勢いがない中で解散を打つというのが、それこそ博打みたいなもので、麻生さんの人気がもう一度高まって勝てるような状況にならない限り麻生さんの解散権は縛られたままです。

お互いに相手の動きを見合う自民と民主

 現時点で自民党の多くは民主党の代表が小沢さんのままで麻生さんを代えたい。一方、民主党は麻生さんのままで小沢さんを代えたいと、お互いに相手の動きを見ているので、結局何も動かない。結局捜査がどう動くかという状況で、混沌としているけれど、構造としては分かりやすい状況になっています。政治の主体性がないので好ましいことではないですが、下世話の見方をするとそういうことになります。

小沢と岡田の違い

 分かりやすく言うと民主党の議員は若くて、自分の力でサラリーマンを辞めて出てきたような人が多く、小沢さんは多分嫌いなんだと思います。一番最高潮に達したのが大連立問題の時で、役員会に諮った時に反対論が出て最高幹部の集まった場所で、小沢さんが出した重大な決断を否決されたのは、多分初めてだと思います。その時にいたある役員の話によると、小沢さんはぶるぶるして怒っていた。正気を失っていたと。だからこのまま離脱するんじゃないかと思ったと言います。
 小沢さんは民主党を、政権を取るための手段として使うわけです。岡田さんは、全くその逆で岡田さんは民主党を非常に愛しています。岡田さんは、もともとは自民党竹下派の若手でした。新しい政治を始めなければという感じで小沢さんと一緒に飛び出し、マニフェスト型の政治を目指しました。

ポスト麻生は?

 民主党の代表が代わると、ポスト麻生ということになりますが、敢えて言えば、言われているのは舛添要一さん、与謝野さんらの名前が挙がっています。これも数字が出ているからです。とくに青木幹雄さんは本気で舛添さんを考えています。ただ岡田さんになった場合、非常に局面が転換し、舛添さんでは無理だということで、女性に行かないと駄目だという人も少数ですがいます。その場合は小池さんと野田さんですか。ここまでどちらになるか分かりませんが、小池さんはかなりやる気です。野田聖子さんは若干優等生という問題などがあっていまいち数字が出ませんが、小池さんでは嫌だという人たちがいるので名前は出てくる。
 次の選挙で問題になるのは、いまのままでは無党派層は民主に行くと思います。一番問題なのは自民党支持層で、ずっと自民党に投票してきた人たちが流動化しました。現在も支持しているけれども投票行動で浮気をする人がどちらになるか。自民に戻るのか、それとも民主に行ってしまうのかというところが一番帰趨を決めると思います。

民主党は官僚改革を本当にできるの

 民主党政権になったら民主党は官僚改革が本当にできるのか。多分ガッカリされる結果になるでしょう。だがある程度はできるでしょう。若手官僚で民主党に親近感を持つ人たちも多く、革新的なものを持っている人も多いので、その部分で一致した場合は官僚サイドの積極的なアプローチで物事は進むでしょう。ある部分は成功するでしょうが、全体からみると1歩進んで1歩半下がるというか、がっかりというのが強いと思います。


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