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寄 稿

共同通信社 政治部長 井原康宏

共同通信社 政治部長 井原康宏
菅政権に3、6月危機 鍵握る「民・公」連携 不調なら年内解散も

 菅政権は目立った成果もなく越年し、攻防の舞台は通常国会に移った。菅直人首相ら民主党執行部と小沢一郎元代表グループの抗争≠ヘ着地点が見えず泥沼化。「ねじれ」国会打開に向けた野党との部分連合や連立組み替えの見通しも立たない。このままでは2011年度予算案を参院で採決する3月に危機に直面。さらに国会最終盤の6月に再び危機に陥る可能性がある。2011年政局の鍵を握るのは、民主党と公明党による「民・公」連携の行方だ。
▽3枚のカード
 「多少のハレーションは覚悟の上。自分なりの言葉で自分のやりたいことを伝えていく」―。1月1日、首相公邸で開かれた年賀会。菅首相はストライプのシャツにズボンというリラックスした雰囲気で、出席議員らにビールをつぎ、政権維持への意気込みを語った。
 民主、国民新の与党会派は衆院(定数480)では300超の議席を持つが、参院(定数242)では計110議席で、過半数まで12議席足りない。3月に参院で予算関連法案が否決されれば、菅内閣はたちまち行き詰まる。
 2013年まで参院選がない以上、「ねじれ」解消策は野党との連携しかない。当面テーブルに乗るカードは(1)社民党や「たちあがれ日本」などミニ政党との連携(2)公明党との連携(3)自民党との大連立―の3枚だ。
 民主党執行部は12月、まず社民党との再連携に動いた。衆院で社民党を加えると、憲法規定による再可決に必要な「3分の2」をぎりぎり確保できる。しかし社民党は安保関係で異論を唱え、来年度予算をめぐる3党協議は打ち切られた。「たちあがれ日本」にも平沼赳夫代表の入閣まで提示して連携を打診したが、断られた。
▽小沢氏の求心力低下
 となると、頼みはやはり公明党。参院で19議席を有し、連携できれば、衆参両院で過半数を確保できる。
 公明党は「政治とカネ」へのけじめを求めてきた。昨年暮れに民主党の岡田克也幹事長が小沢氏の国会招致実現へ強硬姿勢で動いたのは、公明党への連携のメッセージでもあった。先の臨時国会で問責決議が可決された仙谷由人官房長官と馬淵澄夫国土交通相も退任した。
 民主党は予算関連法案を公明党の賛成を得て成立させた上で、4月の統一地方選終了後、「民・公」の連立組み替えに持ち込みたい考えだ。
 だが、公明党との連携が不調に終われば、菅首相は3月、内閣総辞職と引き換えに、予算関連法案の成立を求めざるを得なくなる。仮に予算で協力を得られても、国会会期末の6月に再び危機が到来する。参院で首相問責決議案が可決されたり、衆院に内閣不信任案が提出されたときに小沢氏系議員が「造反」の動きを見せたりすれば、やはり退陣の可能性があるからだ。
 首相が年頭会見で「約束」した6月までの消費税を含む税制改革取りまとめは見通せず、政策的にも追い込まれる。仮に菅内閣が総辞職し、政権交代後3人目の首相が誕生すれば、衆院を解散して、国民の信を問えとの声が勢いを増すのは確実で、年内解散の可能性も出てくる。
 一方、小沢氏は1月中にも東京地裁に強制起訴される見通しで、発言力や求心力の低下は否めない。離党や議員辞職を求める圧力も強まるとみられ、復権への道は裁判で無罪を勝ち取る以外にないとの見方が大勢だ。
▽くすぶる切り札
 もう一つささやかれるのが、自民党との大連立。昨年暮れに、渡辺恒雄読売新聞グループ本社会長が、鳩山由紀夫前首相、谷垣禎一自民党総裁と相次いで会談。森喜朗元首相が菅首相を訪ねるなどの動きがあり、一気に現実味を増した。
 谷垣氏周辺は「大連立の打診は断った」と説明するが、「明確に反対というわけでもなかった」(関係者)との説もあり、大連立は多数派工作の最後の切り札として、くすぶったままだ。
 いずれにせよ「民・公」連携の成否が政局を左右する。民主、公明両党の接触に注目したい。



時事通信社 経済部長 岩切 司

時事通信社 経済部長 岩切 司
年後半からの持ち直し期待 =注目される消費税、TPPの行方=

 日本経済は今年も厳しい状況が続きそうです。ただ、世界経済が新興国を牽引役により力強く回復すれば、年後半からは明るさがうかがえるようになるでしょう。
 民間シンクタンクの予測を平均すると、今年1〜3月期は、内需を昨年押し上げたエコカー補助金の効果が剥げ落ちた反動減の影響から抜け出し、年率換算で0.62%のプラス成長に回復する見通しです。4〜6月期以降は1.42%、1.85%、2.04%と徐々に成長ペースが加速しますが、注目されるのはこの成長が企業設備の更新需要を核とする内需中心であることです。11年は世界経済の牽引役と見込まれる中国などの新興国が予想を上回って成長することも期待でき、外需が上振れることも望めます。
 ただ、国内では消費者物価はマイナスが続き、デフレからの脱却はかなわないようです。企業業績が大きく上向く可能性は小さく、給与所得が中心の家計収入は膨らみそうにありません。それだけに官公需による下支えは不可欠で、有効な経済対策を講じられる、しっかりした政権が必要です。
 経済面では今年、2つのことが注目されます。1つは消費税論議の行方です。菅直人首相は昨年、「税率10%への引き上げ」に言及しましたが、参院選に惨敗し、議論は立ち消えました。ただ、景気低迷を背景にこのままでは国の借金が際限なく増えていくことや、高齢化社会の本格到来で社会保障費が今後膨らみ続けることを考えると、消費税の税率引き上げは避けて通れない課題です。このため、政府は「社会保障改革とその財源について、消費税を含む税制全体の議論を一体的に行うことが不可欠」との方針を打ち出しました。今年半ばまでにその具体案を示す予定です。
 用途を福祉目的に限定することや、所得が十分でない層への配慮などを条件に税率引き上げが打ち出される可能性が大きいと思います。引き上げが今年すぐに実行されることはないでしょうが、引き上げ方針が家庭の財布のひもを固くさせることは間違いありません。景気の面で個人消費に冷水を浴びせることが懸念されます。
また、参加するとなれば日本の農業に大きな打撃となる「環太平洋連携協定(TPP)」への取り組み方針も、政府は今年半ばに決める見通しです。
TPPは多くの国を参加させ、関税を相互になくすのはもちろん、国ごとに存在するさまざまな排他的な規制・慣習を撤廃し、ヒトやモノ、カネ、サービスなどの行き来を自由化するのが目標です。シンガポールやチリなど4カ国が原メンバーですが、参加を表明する米国が主導権を握って拡大する意欲を強く示し、日本にも参加を求めています。
 日本は先進国との間では、関税撤廃を柱とする自由貿易協定(FTA)さえほとんど結んでいないため、産業界は「TPPに参加しないと、日本は世界の孤児になる」(米倉弘昌日本経団連会長)と危機感を募らせています。このため、菅首相は昨年11月に横浜で開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議で「関係国と協議を開始する」ことを表明しました。はっきりしない玉虫色の表現ですが、真意は「参加」にあるようです。農業界からは「農業が壊滅し、地方の雇用が失われる」(JA全中茂木守会長)と強く反対する声が上がっています。
 TPPに参加すると、コメをはじめとする農業生産や関連産業が合わせて年間8兆円近く縮小し、食料自給率が14%(現在は40%)まで低下するとの試算があります。半面、参加しないと、企業の国際競争力がそがれ、GDPが10兆円減少するとの見方もあります。
 TPPに参加するにしてもしないにしても、大きな決断になります。その際、真剣に考えなければならないのは、農家への戸別補償の強化ではなく、後継者に悩む日本農業の生き残り策でしょう。


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